クリア後のRPGで生きる


今の生き方を総合すると、そんな感覚。
同年代の平均年収も超えてない薄給社員だけど、
結婚もしてないし、彼女もいないし、外車にも乗ってないし、賃貸なんですけどそんな感覚。

仕事はやっているが、人生に対して無気力だ。
元々持っていた"諦め感"とでも言えるものが、
30歳を前にして満タンになったのかもしれない。

もちろん、無気力になった理由を探すことはできる。 
一つは、多くの人が出来ることを出来ない自分、に直面してしまったから。
直球でいうと、レンアイ、セックス。
そして、ポルノやゲームなどの非現実に溺れた。

やってみたかった。
普通に恋愛とか性生活を送りたかった。
でも、それをするには自分の感度の低い肉体と我儘な脳みそでは不可能だと感じた。
5、6年はもがいてみた。
だけど、女の子を傷つけただけなんじゃないかと思ってる。

男として、女を愛し、抱く。ということが、出来なかった。
それを引きづり、世間の人への劣等感から交流を避ける事が加速した。

今では、仕事以外の時間は、TVの前でYouTubeかプレステをやり続ける毎日だ。
余計な事を考えずに、コンテンツに溺れたい。
たまに、ピアノを弾く時もあるが、その時はこの音に全て飲み込まれて消えてしまいたい、と思う。
そのくらい何かに没頭せずには耐えられないのだ。

激しい劣等感や恥かしいという感覚が、
消滅願望となった。
夜寝る前は、ゲームしすぎて疲れて死んだような眠るしかなかった。
余力があると、余計な暗いことばかり思い浮かぶから。
これからの自分、と言う事を考えるのが辛い。
あえて自分を鼓舞し、ワクワクさせていた数年前の自分はここにはいない。
全てに対して悲観的で諦めモードになっている自分がいるだけだ。

それで楽になれるはずだった。
でも、実際は虚しさや焦りが襲ってくる事がある。
普段人と関わらなくても、たまにくる家族や友人の連絡にドキッとする。
自分のこんな落ちぶれた精神をバレやしないかと。こんな人間に連絡を取るのはなぜなのか?と思うこともある。
でもありがたいよな、と自分を納得させる。

僕だって女の人にドキドキする事はあった。
だけど自分なんかより良い人いるし、自分は上手くエスコートできないし、何ならセックスできないかもしれない。。。という不安が襲ってくるのでやーめた、となる。

あと、もしかしたらその人が好きなんじゃなくて、その人と付き合う自分に価値を感じただけかもしれない、とも思った。

そんなこんなで、普通に付き合う→性経験を積む、ができなかった自分は、堕ちていった。
ポルノ三昧ですでに脳みそは常に飢えるようになった。
普通の体型では満足できない。シチュエーションが伴って初めて興奮する。

それは、日常にも適用された。
刺激の少ない出来事に対してはなんの喜びもない。社会生活の中では、地味でつまらない事の方が圧倒的に多いから、そりゃあ人生は辛い。

コンビニにいけば、お金を使いすぎる。
それは、何か刺激物を口にしないと脳みそが満足してくれないのだろう。
だから、味の濃いラーメンやホットスナックやジュースなどを買い漁ってしまう。
実際は、食べている時にそれを味わってはいない。脳みそのいたずらだ。

決して満足しないのに、求めずにはいられない。

そんな人間が、人間らしくない姿となったた自分が、社会生活を普通に送るのはしんどい。
外側は普通に見えているわけだから、誰からもきづかれない。
なんか無気力そうとか、やる気ないとか、ミスが多いとかは外に出てしまっているかもしれんが。

タイトルに戻る。
クリア後のRPGに生きる。
これは、皮肉だ。
実際は、クリアなんてしていない。
でも、いまの時代は、インターネットさえ扱えれば、無限のコンテンツを享受する事が可能。
それは魔法のように湯水のように出てくる。
毎月数千円で、最強のサブスクの完成だ。

その魔法を手にして久しい自分。
なおかつ、現実世界でレンアイ、セックスが出来なかった自分。
これが合わさると、もう現実なんていいや、となった。

たまに虚しい。
空虚な気持ちになることも多い。
コンテンツで脳をバグらせて、死んだ目をしながらヨロヨロと歩くゾンビ。そんなところか。
でも、現実に対してコミットする気力、エネルギーがもうない。
辛い現実よりは、綺麗な非現実を選んでしまう。
そこに何がしかの違和感を覚えたとしても、もう後戻りができない。
自分はそのような1人だったと受け入れ、寿命尽きるまで最低限役割を果たし、コンテンツに頭を洗脳されて生きるのだろうか。生きるべきだろうか。
もうわからない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?