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アナ雪と北方のサーミ人

    「アナ雪2=FROZEN2」を見たことがありますか?

少し前になりますが、貴方はこの映画を観ましたか。
観た人が沢山いるでしょうね!
この映画から、どんなメッセージを受けましたか。

私は「吹替版」と「字幕版」を2回見ました。
どうしても物語の展開に納得がいかなかったからです。
吹替は「言葉の数」・字幕には「文字数」に制限がありますから、言葉の意味が曖昧になってしまったのです。「原語版」と併せて3つ、それぞれを比較してみると面白いことに気付きます。
    

      現実ににダブらせて考えてみましょう。
 
「Into the Unknown」・・・「心のままに」・・・これが主題歌ですね。
ヒットしましたね。歌えますか?

どこからか「雪の女王=エルサ」に向かって声が聞こえてます。
この声に向かって「主人公が走り出す」のが、この映画のテーマです。
私は、この主人公と、若い貴方に「共通したもの」があると思います。

まず、貴方は「この人生で何をしたい」のですか?
私は、もうじき83歳ですが、「やりたいこと」が沢山あります。
Noteで書き始めたのも、その中の1つです。
「次代を担う貴方へ」のメッセージです。「伝えること」をしたいのです。

いや、その前に「私は誰なの?」があります。

あなたへの「未来からの声」は、どこから発しられているの?
誰の呼びかけなのか。君は「心の奥底」から響いてくる声に従って、
未来に「挑戦」するのです。
きっと「これやってよ!」という声があるのです。

     エルサ・アナ・クリストフ・トナカイ

前方にあるものは、簡単に乗り越えさせてくれない「未知の世界」です。「霧のむこう」の世界です。未来は霧の向こう側にあります・・・。

そしてあるものは「Dark sea」・・・。風と火と海と大地の精霊です。

乗り越えていくのは簡単じゃありません。最後に歩くのは、自分一人です。
その前に支援してくれる人が必要です。
大波を乗り切るための力と支援です。映画にもありましたね。
 
<映画からの助言>

① 何事も、しっかり「前を向いて」、窮地に陥った時のアナのように「The Next Right Thing」・「できることを一つずつやる」ことです。

② エルサのように「目標への挑戦」を最後まで諦めないことです。
「目標を達成」したら、自分自身が「第5の精霊=別人」になったこと・
自分の実力に、目覚めるでしょう。「目ざまて生きる」のですから。
 
       サンタクロースと,北方のサーミ人

映画に、サーミ人が出てきますね。アナの恋人「クリストフ」です。
もうじきクリスマスが来ますが、サンタクロースはサーミ人ですね。

彼が、住んでいるといわれている「ラップ・ランド」は、
スカンジナビア半島北部の北極圏を中心とした、現在のノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの4カ国に分断されている地域です。

そこに、北方先住民族「サーミ」が住んでいます。
サーミは、トナカイといっしょに季節ごとに移動しながら
生活してきました。もともとは、トナカイを狩猟していた民族です。
少数民族であるために、歴史的に見て「沢山の差別と迫害」を受けました。

「アナ雪」では、架空の民族<ノーサンドラ>として登場しますが・・・。
沢山のトナカイも出てきますね。
アナを助けるトナカイ飼いの「クリストフ」はサーミ人です。

      アナを助けるクリストフとトナカイ

現実的な話では「アナ雪1=FROZEN 1」は、
サーミ人の民族・風習・伝統文化への敬意が足りなかったと、多方面から非難されました。「利用しただけで、配慮が足りない」とね。

そこで、第2回は、製作にあたり「WDAS」という映画会社は、
サーミ議会の代表者たちと「契約」を結び監修・助言などを受けました。
なおWDASは「 ウォルトディズニーアニメーションスタジオ」のことです。
 
チャンスを見て「サーミの血」(スウエーデン映画)という映画を観ることを勧めます。迫害された少数民族の少女の成長を描いた問題作です。
 
       環境問題・「壁」・精霊・強国の支配

この映画は、楽しい娯楽映画ですが、裏に「メッセージ」を持っています。
物語の奥にあるテーマの一つは「環境問題」です。

エルサ・アナの祖父の国王は、ヤマの中に「大きなダム」を建設しました。これは「自然を破壊すること=開発」ですから、破壊された自然、そこに住む精霊が怒りました。
また、自然と「バランスを保ちながら暮らしていた人々」を怒らせてしまいました。

怒った精霊は、「深い霧(壁)」で外界との交流を遮断してしまいました。
物語は人間(国王)の行為を「過ちとして正す」という流れになって展開していきます。
だから、最後に「アナがダムを壊す」のです。気が付いていましたか?

        霧に閉ざされた未明の世界
 
この霧は、「壁」と読み替えることができます。
「壁」を作ることは、国家や人間の関係を遮断するものであるという認識・主張が作品のベースにあると思います。
コロナで、「分断」という壁ができました。世界中が人間がバラバラに。
 
この物語は、少数民族・先住民族に対する強国の「征服問題」を告発する内容であるという人もいます。
いずれにしても、ウオルト・ディズニーという会社は「製作意図」を持って映画を作成していますね。
 
     「白雪姫」と「アナ雪」にみる女性像の違い
 
私は、ディズニー映画のアニメ「白雪姫」(1937年)が大好きです。
まず優しい、可愛い、我慢強いですね。
7人の小人と森で暮らすようになっても、いつも楽しそうで、屈託ないです
私の世代は、この「受け身」の白雪姫像に魅かれるのです。

製作されたのは「太平洋戦争前」です。だから、戦前の女性観がベースにあると考えてよいでしょう。
王子様を待つ受け身の女性:白雪姫です。

しかし「アナ雪」に描かれる女性2人は受け身ではありません。
描かれている「女性像」が全く違うのですね。

エルサもアナも「自立した力強い女性」です。
<Let it go=ありのままで>と自分に肯定的に目覚めた女性は、次は<Into the Unknown=心のままに>と自分を認めながら、どんなに傷ついても心の声を聴いて「輝きを増す行動」に移ります。自立した女性:雪の女王と妹のアナです。

「白雪姫」から「アナ雪」まで、80年余りで、ディズニー映画が描く女性像が変わっているのです。
 10年後の世界が描く女性像はどんなでしょうか?

          豊かなイロとオトの世界
 
「アナ雪2」で、遠くから聞こえる声は、どんな「音源」でしょうか。
高音で透き通る声「あああ~~~」という声は、北欧に伝わる「ヨルク」です。

自然界とコミュニケーションをとるための道具・方法だともいわれます。サーミがたった一人でトナカイのソリに乗った時に、
その孤独を癒すために歌われるともいわれます。

心の中の声をオトに換える。これほど適切なものはないでしょう。
私たちは「自分の心の中の声」に耳を傾けろと言いますが、意味のある言葉より、ヨルクのようなオトが多いですね。
オトに導かれて生きていくのです。

           サーミのイロ

映画の中にサーミの木製の道具「ククサ」や、豊かなイロの織物・服飾が登場していますね。世界の民族衣装には、独自の色彩・原色が多いですね。
 
映画の製作にあたって、「テーマを何にするか」・「どのように描くか」・「どうしたらヒットするか」と慎重に考えたことでしょう。

映画は、観客に対する「貴重なメッセージ」だからです。

「アナ雪」のテーマは、人種差別・環境問題・女性差別・壁の問題でしたから、いかに「重さ」を、軽やかに、楽しくアレンジするかが課題だったと思います。

さて貴方は、「この人生で何をしたい」ですか。

未来からの声は、あなたのメッセージを期待しています。
貴方の「内なる声」に従って、逞しく行動して「壁」を突破してください。人生では、エルサが持っているような「魔法」はありません。
だから、アナのように「行動的な人間」であって欲しいと願っています。

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