それは、愛。

2007.5.18

わたしは今
たったひとりで空を飛んでいます
どんな高層ビルにもぶつからないほど高く
鳥のように自由に大空を飛んでいます

ここからだと
誰が誰だかさっぱり判りません

わたしの大切な人たちは
どこに居るのでしょう

仕事中でしょうか
食事中でしょうか
運転中でしょうか
電話中でしょうか
それとも気持ち良く眠っているでしょうか
笑っているでしょうか
怒っているでしょうか
悔しがっているでしょうか
涙を堪えているでしょうか
何かに没頭しているでしょうか

今…幸せでしょうか?

ここからだと
誰が誰だかさっぱり判りません

だから
見渡す限りの人々にそっと愛を送ります

誰が誰でも構いません
ここからだと
みんな同じに見えるからです

争っている人も
笑っている人も
泣いている人も
走っている人も
寝たきりの人も
傷ついている人も
ひとりぼっちの人も

ここからだと
みんな愛おしく見えるのです

それぞれが抱える問題や悲しみは
何も見えません

ここからは
命の営みの灯りだけが見えるのです

わたしは今たったひとりで
空を飛んでいます

ずいぶん遠くまで来ました

わたしの大切な人たちは
どこに居るのでしょうか

わたしの大切な人たち

それは
眼下に見える人すべてになりました

誰がどうとか
それは
とても小さな違いでしかないと判ったのです

わたしたちは
みんな一緒なんだと知ったからです

わたしはまだまだ遠くまで飛ぶつもりです

そして
あなたの上空を必ず通り
あなたを見ます

わたしはそっと愛を送ります

どうか
少しだけ目を閉じて感じてみて下さい

あなたの中に小さなあたたかい光を感じたら
それはきっと
わたしが送った愛かもしれません

今度はあなたが
たったひとりで空を飛ぶ番です

そして
どうかあなたの方法で愛を送ってみて下さい

あなたの眼下に見える
すべての命の営みに

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?