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顔で笑って心で泣いて〜頑張りすぎているあなたへ〜

「うつ病の人は頑張りすぎている」
「休むことも大切」

メンタルヘルスの専門家でなくても、これらの言葉はよく耳にする。
もちろん当の本人だって百も承知のワードだ。
自慢じゃないが私も頑張りすぎるタイプだ。

「頑張りすぎて誰も頼らなかったで賞」も受賞したし
「抱え込みすぎてイライラが態度に出ちゃったで賞」ももらったことあるし
「頼れないくせにエスパーで相手に辛さが伝えらえると思っているで賞」は惜しくも2位止まりだったけど
「頑張ってるくせに大した成果が上げられず落ち込んでるやつランキング」では日本ランカーにまでなった男だ。結構なタイトルを総ナメににしていると言っても良い。

そんな私が思う、頑張りすぎている人たちが「休みなよ!」と言われることについて考察してみる。


孤独なヒーロー

前提として
もう仕事が好きで好きで仕事をするとドーパミンが出まくりで何よりもサイコー!!!!!って思っているタイプではない。
どちらかというと支配しているのは

「不安」

これに尽きる。
自分が把握しとかないと不安
他の人がやると多くの人に迷惑をかけるかもしれない
自分がやらないことで、まるで他人ができない様子を経過観察しなければいけないような罪悪感を味わうかもしれない
周囲からは頼られるので悪い気がしないし、頑張ればできないことはない
家に帰って一人で「なんで自分ばっかり」と思うが
人に囲まれれば「頼られるモード」の仮面を即座に被れる

事前に沢山準備するのも
人の顔を伺いまくるのも
常に先回りして行動するのも
そうしないと自分のいる世界が崩壊することが分かっているからだ

あれ?おかしいな?みんなには崩壊の未来が見えてないのかしら?

結論見えていない。
というか、めちゃくちゃ頑張って世界を成立させてくれている人が未来永劫いると思っているから、そんな未来が来るとは思えないのだろう

だから職場の同僚とかに
「〇〇さんって有給取らないよね?取ればいいのに〜」
とか言われた日には

んなこたぁぁぁあ分かっとるんじゃぁぁぁあああ!!

というセリフを宇宙食クラスに圧縮し、即座に仮面を被って

「いやぁ〜、有給取ってもすることないんですよね〜」

とか言っちゃう。
たまに「へぇ〜、仕事好きなんだ〜」とか言われると口からエクトプラズムが出そうになるが、決してそんな弱みは見せない特殊スキル持ちの人が多い。

そんな人たちが評価されることはピンチの時だけだ。
通常時、頑張っている人たちのおかげで成り立っている世の中では特に何も言われない。周囲にとってはそれが「当たり前」だからだ。
仕事が増えた、お金が必要、何かを代わりにやってほしい、そんな周囲のピンチの時にはすぐにお呼びがかかり

「さっすが〜!!」
「もうなんでもできるんだね!」

と称賛の嵐に見舞われる。

この顔で笑って心で泣いているヒーローは、中々この街から抜け出すことはできないのだ。


5Gの苦悩


助けてほしくないわけじゃない。
というか助けてほしい。けど口に出すことはできないし、出しても意味がない。
こうした状態で一番の願いは

「どうか私がしんどいことを察して!!」

だ。
察してもらうために何をするか

それはエスパーだ。
念を送り続ける。ただその念が伝わることはない。
いや、正確に言えば3年に1回くらい奇跡的に助けてもらえる時がある。
すると「なんだ!この世界も悪くないじゃん!」とか思うが、やっぱりそれはほとんどない。

意を決してみる。
自分の役割をあえて「やらない」ことで様子を見てみる作戦だ。

家事を主にやっている主婦が「あえてゴミを出さずに玄関に置いておく」
→どうか察して!!

いつも周りの雑務全般をやっている社員が、あえてその業務を少し手放してみる。
→気づいて自分でやって!!


‥‥


‥‥


なんだこのモヤモヤは!!

居心地が悪すぎる!!!

えぇぇぇい自分でやってしまえぇぇぇええええいいい!!



「〇〇さん、なんかあったの?」

「あ、いえなんでも!私がゴミ捨てておきますね〜」


想いは伝わらない。
あなたの電波は5Gなのだ。人の表情や人のやってほしいことにバリバリにアンテナが張ってある。松田翔平とかがCMしてくれるかもしれないレベルだ。望んで5Gになったわけじゃないのに。5Gが便利な時もあるのに。
あなたの周囲の人は3Gくらいかもしれない。もしかしたら電源オフにしている人もいれば、既読スルーが得意な人もいるかもしれない。ガラケーみたいな人もいる。
あなたのその高性能な5Gは、中々うまく作用してくれないことがあるようだ。5Gのあなたから発せられる想いは、周囲はうまく受け取っていないようだ。

厄介なのは5Gなのは「受信だけ」ということだ。
あなたの送信機能は糸電話クラスかもしれない。逆に周囲の人たちは送信機能だけ10Gに思えてしまうかもしれない。あぁ無情。


必要なのは丹下段平



そんな受信機能5G孤独なヒーローマンは

退路が立たれていて断崖絶壁に立っている(ヒーローっぽい!)

だからこそ
「休みなよ」と前進することを止められると急降下してしまいそうな不安に駆られる。

じゃあこの街はどうなる?
あなたはそういうかもしれないけど、市民からバッシングを受けるのでは?

だからこそ
「休んでいいよと言ってほしい」VS「休んでいいよと言ってほしくない」の葛藤がある。
休んでいいよの気持ちには感謝しつつ「じゃあどうすれば?」が常に付きまとう。
なんならボロボロになって世界の均衡を維持してきたアイデンティティすらある。この役割を「放棄していいよ」と言われたようで、バリバリ働いてきたサラリーマンが定年退職した後無気力になったような感じ。
つまり、何か役割を失うような、席を失うような、もう戻ってこられないような孤独感だ。


ここまでくるともう盲目的になっている。
ふらふらになっても立ち向かうプロボクサー、矢吹ジョーの状態だ。

だからこそ必要なのはセコンドなのだ。
あなたの状況を「リングの外」から見ている人。
試合後に一緒に試合の動画を振り返り、一緒に俯瞰してあれこれ語り合える人。
セコンドがあなたを強くするわけでもないし、セコンドがいるからパンチ力が上がるわけでもない。

あなたは強い。

でもあなたと一緒にあなた自身を「俯瞰してみる人」が大切なのだ。

人生というリングに立つと周囲が見えなくなっている。
レフェリーから試合を止められても「俺はまだいける!!」状態になる前に、セコンドとあれこれ作戦を立てることが有効なのだ。

相談しても辛い状況に立っているのは自分
確かにそうかもしれない
しかしそんなしんどいリングに立つからこそ
あれこれ話し合える相談先が重要になってくる

子供同士の殴り合いにセコンドはいらない(そんな高度な喧嘩をしている小学生がいたら見てみたい)
しかし、あなたの立っているリングはそんな生やさしくないのだと思う


このnoteを最後まで読み、
もしかしたら自分は「受信機能5Gの孤独なヒーロー矢吹ジョーマンかも」と思ったのならば(そんなセンスないネーミングじゃなくても良いが)、ぜひ周囲にセコンドになり得る人がいないか見渡してみてほしい。

もしいないのであれば、こころの専門家を頼ってほしいと願いこの文章を書いている。
私のように数々の賞を総ナメする前に、真っ白に燃え尽きる前に、あなたがセコンドを見つけられる日を願ってやまない。

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