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江戸はseven wonders

江戸という、当時の世界有数都市において、とにかく語られる「七不思議」の数々。ジャンル分けも多くて、これでもかと、人間と怪異は背中合わせの共存をしていた事が記録から読み解ける。

いや、迷信だから……そんなもの!

やれやれ、そういうこと云うのが、現代人の「野暮」というものなんだよ。
もうすこし、本当の意味で心にゆとりを持って、そういう話にも全力で楽しめる「粋」な心構えを持ちなさい。てやんでえ。

「江戸の七不思議」

こんなにありましたよ。
もっとあると思うけど、まあ、これくらいで堪忍。

馬喰町七不思議

曲亭馬琴の『兎園小説』にて、「江戸馬喰町に亦七奇異あり」としてあげるもの。これは曲亭馬琴らが毎月1回、奇事異聞を持ち寄って披露する「兎園会」と称する会の記録。
「卵を産む女」「水溜桶に落ちた子供」「鼠に似た怪しい異国の獣」「三匹の犬」「三日月井戸の暗号」「和睦の後の傷」「先祖の因縁」などがある。

麻布七不思議

「柳の井戸」「狸穴の古洞」「広尾の送り囃子」「善福寺の逆さ銀杏」「がま池」「長坂の脚気石」「一本松」

番町七不思議

「城家の団子婆」「朽木の幽霊」「狸囃子」「足洗い」「宅間稲荷の霊験」「番町の番町知らず」「八つの拍子木」

品川・東海寺七不思議

「片身のスズキ」「鳴かないカエル」「片なりのイチョウ」「潮見の石」「血の出る松」「火消しの槇」「千畳づりの蚊帳」

千住の七不思議

「千住大橋と大亀」「千住大橋と大緋鯉」「牧の野の大蛇」「片葉の葦」「子福さま」「金剛寺のそばえんま」「おいてけ堀」

豊島七不思議

「王子装束狐」「狐の嫁入り」「人形流し」「太古の音」「大道法師」「八百比丘尼」「深んどう」「罰当たりの杉」 「でっかん坊橋」などから各人好みでセレクト

江戸城七不思議

「北の御部屋の猫」「夜泣き石」「血湧きの井戸」「踊る白狸」「月見の池」「願掛け松」「大奥の雛祭り」「深夜の馬の蹄」「行方不明の軍用金」

吉原七不思議

「大門あれど玄関なし」「河岸あれど舟つかず」「角町あれど角にはあらず」「茶屋あれど茶は売らず」「新造にも婆あり」「若い者にも禿あり」「遣り手といえども取るばかり」

本所七不思議

「おいてけぼり」「送り提灯」「送り拍子木」「消えずの行灯」「足洗い亭」「片葉の葦」「落葉なし椎」「馬鹿囃子」「津軽の太鼓」などから各人好みでセレクト

まあ、七不思議といいつつ、七つ以上を語っちゃうのもご愛敬。川柳にだって「字余り」が許されるのだから、小さいことを気にしないのが江戸っ子というものだ。

アルファポリス掲載「魔斬」。
このなかにも、この七不思議から素材を得たものがある。エピソードではなく、素材やキャラクターに重点置いたので、オマージュとご理解いただけたら「シメタモノ」、です。

「舶来奇譚」に登場したのが、広尾の御隠居と呼ばれるモノ。
狸囃子の七不思議から取り上げたキャラクターです。
1期最終話にあたる特別長編「死神奇譚」は、これまでのキャラクターもゲストで登場します。勿論、広尾の御隠居も、重要な場面で登場する予定です。
お楽しみに!

今回も大賞には手が届きませんね。山田浅右衛門!