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笑う”センス”【オヤジの観察 #6】

オヤジは建築士を目指す受験生、建築家のデザインセンスはいい参考になる。
「となりのスゴイ家」「建物探訪」「ビフォーアフター」など建築系のTV番組は毎週の楽しみだ。
物件見ながら、「空間センス」「内装センス」「匠のセンス」、気付けば口癖のように『センス』という言葉を多用している。

コトバンクによると、センスとは「人それぞれの内面にある感覚的なもので、感じ方、理解の仕方、あるいは表現の仕方に現れ出るもの」とある。
建築に限らず、芸術、文学、料理、ファッションからビジネスに至るまでセンスを語る対象は数知れない

センスの感じ方は大小あれど、基本は「良いか?」、「悪いか?」
「自分に甘く、人に厳しい」のがオヤジの常、他人のセンスに向ける目は厳しく、悪いと感じるセンスに突っ込む習性がある
オヤジのセンス分類、その境界は曖昧だが「本質がダメなセンス」にあきれ、「イラつくセンス」には噛みつき、「笑えるセンス」は話のタネとして楽しむ。
最近目にした事例のオヤジ流、同調していただけるだろうか?


本質がダメなセンス

“使えない歩行者通路”

最近、自宅近くにできたスーパーマーケット、品が良くて安いので人気がある。 徒歩3分、料理の材料が足りない時、すぐに調達できてとても助かっている。

マーケットには裏側からアクセスするが、いつも気になるのが車道に隣接した歩行者通路。オープン初日、見た瞬間、あまりの不自然さに「エッ」と声を出しそうになった😲。
緑の安全色で色別されているが、2階の屋上を支える太い柱が障害となってまっすぐ歩けない
加えて、「歩行者注意」の標識、歩行者が車道にはみだすことが前提なのか?🤔

途切れている歩行者通路

建築基準法で1000m2以上の商業施設は、幅1. 5m以上の安全に敷地外に避難できる歩行者通路が必要。
法で要求される通路は表側にあるので、この通路は自主設置という扱いになる。

法に抵触しないとはいえ、この途切れ途切れで安全性に疑問を感じる歩行者通路、どういうデザインセンス(感性)で設置する判断にいたったのか?🤔
スーパーへのアクセスルート、2方向より3方向、多い方が利便性よく身近に感じやすい。
わずか30秒の遠回り、少しの時間でも煩わしく感じるものだ。🤔 

このデザインに至るまで何人かで議論したのだろう。(オヤジの空想です)
設計「通路がブツブツと途切れて見た目良くないですよ。」
営業「見た目よりお客さんの利便性の方が大事だよ。」
設計「歩くとき車道にはみだして危険ですよ。」
営業「注意喚起する標識をつけましょう。通路は設置します!

『安全、見た目よりビジネス優先』、デザインの出発点、デザインセンスの本質がズレていないかな?🤔


イラつくセンス

“横切り禁止”

市道を挟んで駅と月極駐車場がある。
駐車場は駅に近く、利用者の大半は東京に通勤している。
その多くは市道を横切り駅方面へと向かう。
いつの頃か?市道の中央分離帯に「危ない、渡らないで」の注意標識が設置された。

これを見た街の人々の声が聞こえてきた。(オヤジの独り言です)
A「こんなに交通量の少ない道に標識つけてさ、意味ないよ。」
B「無視無視、さー、渡ろうぜ。」
人々は、標識を気にかけることもなく市道を渡り続ける

市側は標識だけでは効果がないとみたのか?
最近、道の中央分離帯に柵を設置した。

多くの人が横切る市道

この対策を見た人々はバカにしたようにつぶやく。
A「役所は何考えてんのかな? 200mも離れた横断歩道まで『行って来い』しろってこと?」
B「信号待ちにあったら小走りでも5分はタイムロスだよ。」
A「朝の通勤、一分一秒を争ってるのに、そんな回り道できるかってんだい。」
B「無視無視、さー、渡ろうぜ。」
当然のごとく、人々はフェンスの隙間をすり抜け市道を横切っていく

しばらくすると、街の人達の怒りの声が聞こえてきた。
A「このフェンスまったく邪魔だよな。この前、隙間に足がひっかかって転びそうになったよ😤。」
B「それは危ない、万が一、ドンピシャで車が来たら事故になるよ。気を付けないと。」
A「ところで、このフェンスも標識も俺達の税金だろ。これだけの予算があれば他に実態に合ったいい策ってなかったのかな🤔?」
B「まったくセンスないよ。実際、朝の忙しいときに5分もかけて迂回なんてできない😤。」
A「交通量が少ないんだから、横断歩道でもいいよね。お金もかからないし。」
B「それにしてもこのフェンス見てるとムカつくなー😤。金かけて、効果がなくて、通行の邪魔で、しかも安全まで低下してるって、全くセンス最低。」

市のセンスにイライラ模様の街の人達、今日もフェンスをすり抜け駅へと急ぐ。


”右折禁止”

この対策も、前例と同じで実態に即さない自己満足
近くの大型モール駐車場の出入口、前を走る市道中央にオレンジ色で高さ1mほどのポールを設置していた。正式には「ラバーポール」と呼ぶらしい。
近くにいた警備員になぜ、ポールを設置しているのか?聞いたところ、
市の指導により、出口を出た車が右折しないように、また、車が右折して進入してこないように設置しているとのこと。
モールの裏手にあるさほど交通量の多くない市道、その必要性があるのかな?🤔

駐車場から出た車は
新たに設置されたポールをかわして少し逆走して左車線に入っていく

後日、オヤジがこの近くを歩いていると、1台の車が出口から出てきて、ドライバーがキョロキョロと左右確認している。
すると、おもむろに右折して少し逆走しポールをかわすように、左折レーンへと入っていった😲。そして、驚くことに続く2台の車もまったく同じように右折、少し逆走して走り去っていった😲

ポールをかわしてUターンして駐車場に入ってくる車

さらに見ていると、今度は出入口と反対側の車線からポールの先端をぐるっとUターンして進入している車を2台見かけた😲
オヤジがその場にいたのはわずか5分ほど、せっかく付けたポールが全く意味をなしていないどころか、逆走とか、狭い場所でのUターンとか、見ていていかにも危なっかしい😨
最近、このモール以外のスーパーにも同じ目的のポールが取り付けられている。

繰り返しになるが、標識、フェンス、ポールを付ける必要ってあるの😤
実態に即さない、自己満足だけの対策、貴重な税金、他にもっと有益な使い道がないのかな?🤔


笑えるセンス

“クスリの端数”

こちらは前例とは毛色の違う事例。

「おーい、ちょっとこれ見てー😲」
「あらー、もらったクスリがクスり(笑)・・・ね😄」
目が点のオヤジに妻がジョークで笑っている。
14個で1パッケージのクスリ、カプセルの一つが切り離されてビニール袋に入れられている

1パッケージの一つが切り離され、端数の1カプセルが同封されたクスリ

クスリの端数を渡されることはよくあるが、端数が必要ないのに端数をつけて渡されたのは初めて。
誰かのクスリを準備したとき、数を間違えて切り離しておいたのかな?
端数はよくあること、端数が必要になったときに使えばよいものを、担当の薬剤師は在庫管理に几帳面な性格なのか?🤔
スッキリ1パッケージを渡すより、端数の処分を優先したようだ。
数は合ってる、クスリの効能に問題はない、オヤジにとっては妻との会話が増えて、ある面楽しかった。
薬剤師のセンスに「なんか、ちょっとな―? 古いクスリでも平気で渡されそうだなー」って、笑えた😄。
このケース、オヤジにとっては「笑えるセンス」だったが、まったく気にも留めない人、気分を害する人、それぞれの感性でとらえ方も違ってくる。

センスを語るとき、その良し悪しを決める絶対的な基準は存在しないうえに、人それぞれの感性、世界観、能力、経験によっても違ってくる、また、相対的な比較、時代による影響もあるかもしれない。 
センスの話題は時に感情的になることもあるが、関わる人の人間性が無意識に垣間見えて興味深く話は尽きない。

今度の飲み会、『クスリの端数』の話でもしてみようかな?🤔

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