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マントを編む鎖の少女たち




凍てつく瞳で
鎖に繋がれた少女たちが
今日もマントを編んでいる
けれどもそれは自分たちの為の
マントではなく遠い異国に住む
人々のためのもので

その異国の
彼らには温かい食事もあり
柔らかな毛布もある
子供らは学校や塾にも行き
ピアノを習いサッカーもする  
けれど、それとて、
幸せとは限らない

愛されていますか
誰かを愛していますか
ちゃんと守られていますか
生きているだけで許される世界が
この世にどれほどあるのでしょう
彼らは、ただ許されたいのです
マントを編んでも編まなくても
学校へ行けても行けなくても

引き剥がされた遠い大地で
鎖に繋がれた少女たちの
素足は冬の木枯らしに晒され
真夏日は焦げた太陽が髪を焼く
齧るのは木片のような硬いパンと
薄墨のような具の無いスープだけ

どこにも逃げられない
素足の鎖の少女たちは
そこに立っている 
建っている
動けない彫刻のように
囚われた鉄の森の外れで
今日もマントを編んでいる 
けれど本当に
マントを着て欲しい人は
少女たちと
生き別れになった父と母
寒さで凍え死にしそうな
弟や妹たち

誰か届けてくれませんか
彼女たちが命をかけて
編んだ温かいマントを
少女たちの家族の元へ
少女たちは鉄の毛布を被って
祈りながら眠るでしょう
今夜の星空から
明日の青空から

火の弾が落ちて来ない様に

パパ、ママ、弟や妹たち、
お元気ですか?

いつの日か、お会いしましょう
戦車が走らない町で
新鮮な野菜や果物が
売られている
市場で

いつの日か、また会いしましょう
季節の花々が咲き乱れる
美しい村のあの丘の上で

愛する人があなたの元へ帰れますように💚kazekarin



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タイトルTOPの青い🧊画像は_kei_さんからお借りしております。_kei_さん、美しい写真をありがとうございます😊

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#詩のようなもの
#ウクライナ
#イスラエル
#パレスチナ
#また会う日まで  


















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