雨は空の撒き散らした排泄物だ。
と、誰かが言った。

このキザ野郎が、と僕は思った。
その誰かがいけすかないやつだったからそう思ったに過ぎないけれど、空を悪者扱いしてほしくない。
それとも本当に、排泄物を浴びて僕らは悲しくなったり、愉快になったり、しているんだろうか。

僕だってアウトプットをまきちらしている。
誰に望まれるわけでもなく、毎日せっせと文章を書いては吐き出している。

そうか、空と同じか。
と考えると愉快になる。

いや、断じて、空と同じではない。
同じどころかかけ離れている。
だって僕は、半熟の目玉焼きを作れる。
空はフライパンを持つことさえできない。

勝った。

空がまきちらした雨が今日も降っている。