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君にイヤホンの片方を

もう少し伸ばそう、そしたら届くと思う。
君はそうやってぐいっと伸ばすが、あと少しのところで届かず、少し微笑む。

そういうふうに僕らは近づいていくわけで、別に悪いことではない。

音楽は、ステレオサウンドであるが故に尊いのであって、それを片耳で聞けばその素晴らしさが半減するではないか、なんて野暮なことは言わない。

言えない。

言わないほうが尊い。

とは思わないか?

片耳で聞く、ハンバートハンバートのぼくのお日さま、はやっぱり名曲で、込み上げる思いで、というところで涙が出そうになったことは内緒だ。
僕は言葉がうまくいえない。

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