見出し画像

続・子どもの心を診る(7)

スクールカウンセラーからの考察

大学病院で自閉的特性/ADHDを調べることになったと話すと、スクールカウンセラーからも自閉的なものは感じたことがないと、大学病院で出た結論と同じ事を言われた。

カウンセラーはADHDについても説明してくださって、軸は自己コントロールなのだそうだが、その点で長男は自己コントロールができないというのとは少し違うと思うと言われた。強いて言うなら「衝動」はあるが、これは知的好奇心による知りたいという欲求であり、ADHDだと思ったことはないと言われた。

ただ、ADHDについてはとても良い薬があるとおっしゃっていて、もしこの薬が効いた場合は製薬会社がかなり力を入れてつくった薬の効果があるということで、それは良い話なのだと言っていた。もし医師が薬を使う話をしたら、使うのはありで、最終的には家庭で判断したら良いとアドバイスを下さっていた。

脳波から見た発達

長男は同じ大学病院の小児科の頭痛外来も受診していたため、脳波を撮っている。A医師が神経発達症も専門にされていたため、3回目の診察で、もし脳波から分ることがあれば追加で色々と教えてほしいとお願いしてみた。

先生は、発達の遅れ、未熟さがある場合には脳波で分ることもあるが、長男には全くそういったものが見られない、本当に正常ですと言われた。睡眠に入るときの様子に触れられて、睡眠の質も良いことが分ると言われた。

脳波は素人が見ても何もわからない。インターネットで少し検索すると、脳波とASD/ADHDについての資料も見つかるが、誤解のないように記載しておくと、A医師は長男の脳波からこういった特性の有無は診断していない。

また、A医師がおっしゃった発達の遅れ・未熟さというのは、ASD/ADHDとは全く別の概念であると理解している。

大学病院を受診した長男の感想

長男自身は自分のストレス症状改善のために大学病院を受診したわけだが、振り返ると発達特性について診断するための時間が割合としては大きかったように思う。それも含めて、色々な医師の方と話してみて、どんなことを思ったかと訊いてみたら、笑いながら以下のように答えてくれた。

「これ、普通の感想とはちょっと違うかもしれないけど、診察室のパソコンのモニター読むのが楽しかった。」と言っていた。医師と私が話している間はモニターを眺めて楽しんでいたらしい。

「普通かどうかなんて気にしなくていいよ。あんたがそれが楽しかったんでしょ?いいじゃん」と言うと、

「あとは、画面で血液検査の結果を見せてもらったときに、この言葉ってこれかなとか想像したり、数値見てて楽しかった。」と言っていた。

長男にとって、大学病院の先生方の存在は、自分を理解してくれる人との出会いとなったようで、初めて病院に行った時から「行って良かった」と言っていた。

私自身も改めて、長男が環境を選べるなら、やはり理解をしてくれる人達が最初から集まっているような環境に身を置いてほしいなと思った。

同時に長男には、自分の言動が人からどう受け止められることがあるのかということに、引き続き気を配ってもらえたらと思う。

人と違う特性を持っている以上、苦労はついて回ると思う。親ですら育てにくいと感じたことがあり、また学校の先生からも一筋縄ではいかないと言われている。長男もそのことは気づいていて、それで少なからず辛い思いをすることもある。

気にしすぎも良くないが、苦労する状況でも冷静に受け止め、物事を俯瞰的に見て、うまく生きていってほしいと思う。

私自身は、病院の先生方が沢山ポジティブなことを言ってくださる中で、長男が万万が一にもそれにあぐらをかいてしまったり、つけあがることがないだろうかということも心配していた。

しかし杞憂だったようだ。

私 :あんた脳波も問題なかったし、これからはいろんな状況でまともな判断してくれるってことで、お母さんは安心していいのかい?

長男:お母さん、脳波もあれで全てが分るわけじゃないから、『正常』って言われても油断しないほうが良いよ!

ということで、これからも書くことには事欠かなそうだ。

長男は、ギフティッドだ、学校版ADHD評価がどうの、色々検査することになったこと、これらにはほとんど無頓着だった。それが何よりだった。それくらいが丁度良いと思う。むしろ私の方が意識しすぎていたのかもしれないと思った。

長男がこれからも今を楽しく、そして色々な人と出会って楽しく生きていってほしいと思う。