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生まれたての頃(1)

ずっと大変だと感じてきた長男の”激しさ”、育てにくさ、何となくディフィカルトチャイルドに該当しそうだと感じていたことは、長男がギフティッドと指摘されてOEs(過興奮性)というものを知った時に謎が解けた。

過興奮性(overexcitabilities:OEs)

ギフティッド児の激しさや繊細さと関連する特性です。(中略)すべてのギフティッドに見られるわけではありませんが、広く見られる特性です。

過興奮性は、知、想像、感情、精神運動、感覚の五つの領域にわけられます。知性の面、想像性の面、感情面、精神運動性の面、感覚の面で、脳内の情報伝達量・処理量が多く、さらに、そのスピードも速いことから、その側面での力の高さと反応の激しさが表出されると考えられています。

近年、脳神経科学の発展により、これらの過興奮性と知的能力の高さとが表裏一体であることが示唆されています。

すぐれていることと表裏一体の難しさ
ギフティッドの居場所をつくる――その理解と受容から (著者:角谷詩織)

長男は5つの領域の中でも0歳~5歳くらいの間は、下記の2つが最も顕著だったように思う。(e)感覚の過興奮性は幼少期には今ほど気にならなかったが、赤ちゃんの泣く理由としては関係していたのかも知れない。

(c)感情の過興奮性
これは、親がまず気づくことの多い過興奮性です。複雑で強烈な感情が噴出するのを多々目の当たりにするためです。(中略)喜怒哀楽すべてを強烈に感じ、表出します。(中略)非常に共感性が高く、他者の痛みを我がことのように感じたりもします。
(a)知的過興奮性
「知りたい、探究したい」という意欲が人一倍強いという特性となります。(中略)成長とともに、集中力や論理的思考力を要する高度な課題を好むようになります。難しい課題ほど、意欲がわき、「燃える」わけです。

ギフティッドの脳は、平均的な知能の脳と比較した時に、より複雑な問題を解く際に両半球の前頭葉が左右対称に近い形で活性化するという特性がありますが、この活発な活性化が知的過興奮性を裏づけていると考えられています。

同上


泣きの激しさ

まず生後間もない時と言えば「泣きの激しさ」が真っ先に思い浮かぶ。長男の乳児期〜幼少期を思い出すと、周囲から泣き方について指摘される事がしばしばあった。泣きの激しさと発達特性には相関があっても不思議ではない気がしているが、これはあくまで感覚的にそう思ったということしか言えない。

以下、あくまでギフティッドと知った今だから、特性と関係があるかも知れないと思いながら書くが、的外れなものもあると思う。

概略としては、まず長男は出生直後に新生児無呼吸発作を起こしている。これも早産でない限り割と珍しいようだ。それがきっかけでGCUに9日間ほど入院せねばならなくなったのだが、入院中にあまりに激しく泣くために、担当の看護師さんが耐えられず限界になってしまったことがあった。

誕生

長男は39週と数日目に約3,200gで生まれた。私が助産師さんに、「私は安産だったのでしょうか、それとも難産だったのでしょうか」と訊いたら、「時間的には安産、内容的には難産」と言われ、結局どっちなのかよくわからないままとなっている。

陣痛から出産までは約10時間のため安産、一方、母親も産後にICUに数日入院しなければいけないほどの大量出血だったことで内容的に難産となったのだろう。

長男は産声も上げたし、私のおなかの上にポンとお座りのような姿勢で乗せられた時はしっかりとこちらを見ていた。少々お疲れの表情ではあったが、これが我が子かと思うと感慨深いものがあった。

「新生児無呼吸発作」を起こす

出産直後は、赤ちゃんはプラスチックのかご型の小さなベッドに入れられ、母親と一緒に出産した部屋で休むことが多いかと思う。私と長男もこんな感じで安静にしていた。

しかし間もなくして助産師さんが飛んできて、慌てて長男を抱きあげると背中を軽くたたいて様子を見ている。後処置が終わってちょっとしたくらいの時で、長男が誕生してまだ1時間くらいしか経っていなかった時のことだった。

(2)につづく