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本人の振り返り、中学受験で露呈した家庭の脆弱性(1)

長男に中学受験について聞いてみたことがある。

私 :中学受験ってした方が良いと思う?

長男:別にしなくて良いと思うよ。

私 :もしするとしたら、何かアドバイスある?

長男:ストレスの無い状態でやるのが良いと思う。ストレスがあるとパフォーマンスが落ちるから。

「パフォーマンスが落ちる」には異様な説得力があり、親としては身につまされもした。親がストレスになったこともあっただろう。

長男:塾を辞めたことは精神的には良かったよ。ストレスは減った。

そう思えたなら何よりだった。受験も追い込みに入って以降、1番のストレスは塾になっていた。

退塾の意向を塾に伝えた際には、塾から「中学受験とは、全てのストレスを取り除き、快適な環境の中であなたならできるというような生ぬるいものでは断じてありません。逆に全ての現実と向き合い、(…)そして皆が心を1つに歩んだ先にのみ、合格やさらなる未来が待っているのです。」と言われ、単なる合格と、意味のある合格との違いについても説明されたが、先方が”意味のある”とするものが我が家には悪影響になりつつあった。

状況が状況であったため、退塾して良かったと思うが、その際には受験に関して不利になるとも思っていた。それでも長男が、塾に通い続けて不合格になるより、自分でやって不合格になった方が後悔しないと言ったため、踏み切ったのだった。

私 :昔は先生達に受験本番、応援に来て欲しいとか言ってたのが、こうも変わるとはね。

長男:洗脳される前に気づいたよね。

私 :お母さんからしたら十分洗脳されてるように見えたけどね・・。いつ気持ちが変わったの?

長男:やっぱり怒られすぎたよね。理不尽に。さすがにおかしいだろうって、完全に洗脳される前に気づいたよ。

塾の先生は話術に長けていた。一度しかお会いしていないが、オーラもあった。子供達も密室で何度も先生の語りと叱責を受けていたら、そのうち染まってしまっても不思議ではないし、恐らく先生も自分の色に染めることを厭わない人であったと思う。

長男は夏頃には塾への気持ちは冷めていたようだ。しかし受験のために退塾を考えることはその当時はまだなかった。

それどころか、親が塾に対して感情を損ねすぎないように気を配っていたことを後に知ることになる。

親が塾の先生の対応に憤慨して長男の味方になろうとすると、なぜか長男が塾の肩を持つようなこともあり、意味が分らなかったのだが、後日談として当時相談させてもらっていた心理士の方や担当の相談員の方が「ドラ(長男)ちゃん、家では分ってて少し控えめに言ってたと思いますよ。ここでは%&!#$とか、*%#&”とか、言ってましたからね。確かに塾の授業は身になる部分はあったみたいですが。」と教えてくれた。

知らなかったが、長男は関係者の反応まで読んだ上で行動していたようだ。

(2)につづく