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中学受験、社会(暗記系)

算数については、これでもかと言うほど書いてきたが、その他の教科についても簡単に触れてみたいと思う。

まず、意外にも、退塾して長男が最初に心配した教科は「社会」だった。理由はしばらく社会をやらせてもらえていなかったために、記憶したものが抜けてしまっているのではと心配だったらしい。

本人は不安だったかもしれないが、恐らく先生としては、長男が多少社会をやらずとも不安はないとお考えだったのではないかと思う。

社会は暗記?

社会は”暗記”というイメージが少なからずあるように思うが、これは確かに重箱の隅をつつくような問題で暗記力が試される試験もある一方で、ある程度の暗記(というか”知っている”)を前提に、自身の考えを述べさせたり、その場で資料を与えて考察を書かせる試験も存在する。

長男は後者を得意としていたようだ。逆に暗記については不安があり、退塾して以降、それまで使っていた大量の社会のプリントを整理して見直したいと言い出した。

私 :悪いね、取りあえず適当にファイリングしちゃったから。

長男:いや、すごい助かるんだよ。ほんとありがと。でも地理は地理、歴史は歴史、あと順番になってた方が探しやすいから、これは俺が自分でやるよ。

あの整理整頓をしない長男が別人のように整理整頓したのだから驚く。模試があった際には、休憩時間に見直すのだと言っていくつかピックアップして持って行っていた。

ただ、退塾後に社会の”暗記系”に取り組んだのはこの程度であったと思う。せっかくプリントを整理整頓したものの、過去問や算数の方に時間を使わねばならず、社会は過去問の中でやるに留まった。

暗記多めの試験は本番のペースをつかむ練習を

長男は10校ほど受験した関係で、全部の学校の過去問を満遍なくやることは不可能であった。またその必要もないだろうと考えた。一度も過去問をやらずに受けた学校もあれば、1年分はやった学校、数年分やった学校まで様々であった。逆に、当初受験予定で、しかし距離を理由に受験を断念したけれど、過去問を良問と判断してしばらくやり続けた学校もある。

そして社会については、当初ぶっつけ本番でと考えていた学校の過去問を、念のためにと取り組んだ際、時間内に最後まで到達しないということがあった。これがきっかけで、暗記型で問題数の多い場合は、ペースアップが必要と気づき、本番ではそれを踏まえて最後まで到達できたということがあった。

ペース配分の感覚だけは身につけておいた方が無難かもしれない。

暗記と捉えるかは人によるかもしれない

当時少し話題になった社会の問題で、以下の問題があった。

togetterの下記リンク先より

このうち、以下の問題について長男に訊いてみたところ、

同上

長男は、「いつ令状が出るかわからないからじゃない?」と言った。当直医がいる理由を訊かれて、「いつ急患が出るかわからないからじゃない?」と答えるかのように。

正解については調べていないが、ネットで調べるに長男の解答は理由の一つとしては正しそうだ。

小学六年生を相手にこんな問題を出すなんてという感想があっても不思議ではないし、暗記と捉えれば、まるで砂漠の中の砂粒を一つ探し出すような、途方もないものに思えてくる。

一方で、いつ覚えたのかは覚えていないが、気づいたら知っていたというケースもあるのである。そういった場合、確率として、その他のことも幅広く知っている可能性が高い(もちろん、この問題が解けなかったからといって知識量が少ないとは断じて言えないわけだし、たまたまこの知識だけを持っていたという事もあるだろう)。

こういった問題に遭遇すると、社会は対策のしようがない上、塾で教えると言っても限界があり、また教える側だって知らない事も想定される。

そう考えると、対策をするというアプローチがそもそも違うのかなと思う。普段からの過ごし方、アンテナの張り方、つまるところ、勉強と思わずに勉強してしまっているという状態が必要なのではないかと思う。

長男も雑学としてどこかで読んだか聞いたかだと思うと言ったが、例えば長男は過去問を解いている中で、社会の資料の出所として『日本国勢図絵』が頻出する事に気づき、図書館で借りてきて欲しいと言った。

こういうものに自然と興味が湧く子は、それは社会が強くなるだろうと思う。

この本を手にするや、「赤字国債って何?どうして202X年はこんなに増えてるの?」「失業率の定義って・・?」と訊いてくる所から家庭内で会話が始まり、親子で会話を楽しむ機会も生まれる。知らず知らずのうちに積み重ねたものはあろうかと思う。

そんな長男であるが、社会で2回も本番のテストで遭遇したのに、2回とも答えが書けなかった問題があった。

憲法第12条に出てくる「不断の努力」である。ある学校の答え合わせで確認していたのに、別の学校の試験で再度遭遇しても書けなかったそうだ。長男らしいというか、答えが答えだけに笑ってしまった。