まわるまわるよ時代はまわる バブル期氷河期繰り返し

昨日、Twitterで「内定辞退」というワードが盛り上がっていた。

6月1日解禁前にもうみんな内定辞退で盛り上がってるの!?と焦って開いてみたらちょっと別件だったようで。

日経新聞に掲載された記事が炎上してたようです。(もうリンク先には飛べなくなっていたので記事は読めず)


「内定辞退するときは直接会って、まず感謝を」

これがものの見事に炎上していた(笑)

「受ける側も選ぶ側だ!何様のつもり!」
「じゃあ不合格にした学生全員に会いに来て感謝の言葉を述べろよ」
「企業と個人の立場は対等だ!」

こんな感じの言葉で埋め尽くされていた。

私は「採用する側」なので、思うことをちょびっとつぶやいた。



これが本音です(笑)
ただですね、前に勤めてた会社ではこれを巡って痛い思いをしたことがあります。

「オワハラ」という単語が巷に現れだした2016卒採用。
当時、私が勤めてた会社では内々定承諾書を書いた学生のみ、辞退連絡が入ったら一応会社に来てもらっていた。

なぜ来てもらうのかというと、けっして引き止めるわけでも怒鳴るわけでもない。
「うちを辞退して何処に行くのか」が知りたいからだ。
辞退者の動向をつかんで、その「選ばれた会社」が当社となにが違うのか、調査することによって
翌年の採用活動を少しでも良い物にしようと言うものだった。

だから、「そっかー○○社に行くんだね。残念だけどそっちで頑張ってね」的な感じでサラッとリリースしていた。

…とある学生が2chにこのことを書き込んだ。

「あの会社、内定辞退で呼び出されたけどなんも怒られなかったし楽勝だったよ!」と。

その翌日。

辞退の電話が朝から鳴り止まなかったのだった…。

説明しよう。

世の中の会社は割と内定辞退する学生に怒鳴ったり、罵ったり、机を蹴飛ばしたりするらしい。(当時の2chより)

複数内定を持っていて「どこ辞退しようか…でも怒られるの怖い…」と学生がガクブルしているときに

「この会社、辞退しても怒られないよ!」という情報が入ったのだ。

怒られたくない学生は真っ先に「怒られないなら!」と辞退の電話を掛けてきた、というわけ。

いやいやいや違くね!?
むしろ学生にそんなパワハラする会社、入りたくなくなるでしょ!?

転職した今でも切ない思い出です(笑)

しかし、「企業と個人は対等」と普通に言える社会って凄いなと思います。良い意味も悪い意味も含めて。

良い意味では、過労死とか社畜現象を「悪」とする風潮が出来上がってるってことですよね。
会社に命を捧げない人生を送るというのはとても大切なこと。

悪い意味では「入社してやったぞ」的な感覚で入社式までは通用しても、実際働き出したらそうはいかないということです。

取引先に言われた納期は守らなければならないし、ミスをしたら菓子おり持って、先方に謝りに行かなくてはいけないのです。

「え?なんで謝るの?対等でしょ?」は、入社してからは通用しない。
なぜならお金が絡んでくるから。信用がなくなれば仕事がもらえなくなり、お金が稼げなくなるから。

企業と個人は対等でも、企業と取引先は全然対等ではない。

一昔前の学生は、就活中にその感覚を身につけてました。
今ほどの売り手市場ではなく、企業を「取引先」と似た感覚で受けとめていたからでしょう。

だから超絶売り手市場の今の学生はきっと入社してから苦労すると思います。「当たり前」と思ってたこととのギャップに。

氷河期時代に就活してた人が「内定辞退ぐらいメール一本で当然!」なんて文字を見たら倒れてしまうかも知れませんね(笑)

時代、ですね。全ては。


最後にオマケ。
以前「元芸人&元塾講師が役立った話」という記事に書いた、後半に出てくるリュック姿に両杖の学生が、先日、残念ながら選考の途中で辞退となりました。

辞退理由は他社内定により。まあ仕方ないです。
ただ、その辞退メールに私はウルッときました。

「~第一希望の企業から内定をいただき、選考を辞退させていただきたくメールをいたしました。~中略~
特にぎんさんには、最初の出会いからずっとお世話になり、なんとお礼を申し上げて良いか分かりません」

うるるる(ノД`)
良いんだよ、辞退メールなんてテンプレートで。別れが辛くなるから…(ノД`)

私も、テンプレートではない心を込めたメールを送りました。

第一希望の企業に内定おめでとう。自分で選んだ企業、存分に実力を発揮して活躍してください!

狭い日本。また何処で会うか分からない。
その時に気まずくならず、笑顔で会えたら良いよね。
だって、働きたい企業で働けるって幸せなことだから。



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