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海外でバイリンガル子育て 〜序章〜


環境:父親はアメリカ人、私は日本人、場所はアメリカ NC

私には2人の子供がいます。
上は息子1996年生まれ、娘は4歳年下で2人ともアメリカ、ノースカロライナ州の地元の病院で生まれました。

2人は同じ家で育ち、共にバイリンガルですが、そこに至る過程は同じではありませんでした。


NCの雑貨屋さんで

どの言語が母国語になるのかは育つ環境次第


まず、言語を習得する過程についての基本的な認識から。

アメリカで生まれた赤ちゃんは、どの子でも英語を話すようになるでしょうか?

日本語はどうでしょう?日本で生まれればだれでも日本語を理解するようになるでしょうか?

答えはノーです。

では、アメリカにいながら、アメリカ社会から離れたところでずっと日本人の親に話しかけられて育った子供は英語を話すようになるでしょうか?

逆に、日本でアメリカ人のお母さんから生まれた赤ちゃんがずっと英語で育てられたとしたら、どうでしょう?

日本で育ったのだからという理由で日本語がわかる子供に育つでしょうか?

これも、答えはノーです。

生まれた国と自然に話せるようになる言語(母国語)との間には、DNAのような生物学的、絶対的因果関係はありません。

言語の習得は100%後天的なものなので、生まれた国や両親の話す言語とは関係なく、どのような環境で子供が育つかによって習得する言語は実に様々です。

例を挙げれば、

私の知人(日本人と台湾人のハーフ)Jさんのお父さんは台湾人で、Jさんは日本で生まれました。

在日外交官だったお父さんは仕事で忙しく、Jさんの子育てにはほとんど関わることができなかったのだそう。

Jさんのお母さんは今で言うところの「ワンオペ」でした。

ずっと日本で育ち、日本の学校教育で育ったJさんは、結果的に大人になるまで中国語を学ぶことはありませんでした。

残念なことに共通言語がないために「父との会話はほとんどない」と仰っています。

また、最近テレビでキャスターやリポーターとして活躍されているトラウデン直美さんも似たような状況です。

彼女は、ドイツ人のお父さんと日本人のお母さんとの間に日本で生まれ、ずっと日本で育ったんだそうです。

先日彼女のことを特集したTV番組があり、私はそれを偶然視聴したのですが、その中で彼女はどれだけ容姿が外国人っぽくても自分の母国語は日本語で、ドイツ語はほぼ話せないのだと語っていました。

ここから分かることはやはり、言葉は生まれた後に育った環境が決定することであって、生まれながらに決まっているものではないということです。

もちろん、最初に挙げたいくつかのケースも、子供が成長して環境が変わって来れば、例えばお父さんが子育てに参画するとか保育園に行くとか、2つ目の言語が環境に加われば、また事情は違ってきます。

ヨーロッパではよくある、公用語が2つ以上あるような国や地域では、子供たちは意識しないまま複数の言語を覚えて成長していきます。

私が何故こうしたことを自信を持って言えるかと言うと、これは実体験に基づいているからです。

私の手探りバイリンガル子育て in USA


私は30歳代前半でアメリカ人と結婚し、米国に移住しました。そして、1年後の1996年、長男が生まれました。

私には、「私の両親がアメリカ生まれの孫と言葉の障壁なく会話ができるように、子供を日米のバイリンガルに育てたい」という強い希望がありました。

また、将来仮に子供が日本に住む選択をしても、言葉がその障壁にならないようにしたいとも思っていました。

かと言って、バイリンガル育児法のようなものが確固としてある訳ではなく、インターネット通信もままならなかった時代に、(しかも海外で)望みを叶えるにはとにかく手探りでやってみるしかありませんでした。(続く)


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