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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : 現物主義?

えー、久々、SP盤なんぞいじくっております。カイガラムシの分泌液を固めてつくったシェラックという素材でできた古い78回転のレコードです。蓄音器を持っているわけではないので、遊び半分というか興味だけで集めたものが数十枚…百枚程度ありまして、取り扱いに困っております。マッタク用がないならまだしも、時々お客様との話題に出てきたりするから、ついつい店にも数十枚置いていたりします。以前は蓄音器で鳴らすイベントに貸し出したりもしましたっけ…。

まあ、ノーマン・グランツのジャズ系あたりは眺めているだけでもいいですねぇ…とか言ってると、「聴けないなら処分しろ」というカミサンの心の声が聞こえてきそうですが、たまにはイベントなどでご登場願って解説なりすれば、まだ許されるかなどと勝手に考えております。それでも半分本心で「誰かもらってくれないかな…」とも思っております。

来月のイベントが「サブカル近現代史とMTVの時代」というものでして、SP盤が鳴らせればいいのですが鳴らせないので、さらっと触れる程度と考えております。それでも、江利チエミさんあたりに関しては少し時間を割いて語るかなといったところです。

以前に「深川くずし」などに関して書いたときにも少し触れましたが、この辺の事情に関しては、ライフワークのように楽しくお勉強しておりまして、せっかくの情報をシェアしておきたいという程度のはなしなんです。でも70s80sの洋楽を聴くようなイベントで、あまり長々とこの辺の話をしてお客様がギヴアップするかもと思うと、ちょっとずつ小出しにするしかありませんね。

まあ、遠慮と忖度の塊になってイベントの準備をしているわけですが、ついつい面白いものに目が奪われるというか、いちいち手が止まってしまい、全然準備が捗りません。昨日は江利チエミさんの「ツゥー・ヤング」のカンパニー・スリーヴで一発座礁しました。

いまだに健在どころかレコード会社で唯一黒字を出していると言われるキングレコードの袋に「大日本雄弁会講談社」と書いてあるではないですか。…しかも右から左に。何となく聞き覚えのあるこの社名、雑誌に強い講談社の昔の名前ですね。講談社ブランドストーリーというウェブページがありまして、会社の歴史が細かく紹介されております。別に回し者ではありませんが、非常に面白いページです。年表を読んでいくだけでも、「へぇ」「へぇ」「へぇ」となります。

次回のイベントの資料は年表的なものになるとは思いますが、その年表に講談社の項目を設けておきたいくらいです。前回あたりから「noteであまり書き過ぎると、イベント当日はネタバレしてて面白味が減じてしまうかな?」と思っているのですが、まあこの辺はやり方次第でしょうか。とりわけ、以前から申し上げておりますが、アナログレコ―ドのイベントは「現物主義」が面白いわけで、音声だけならYouTube動画を紹介するだけでも成立するんです。でも現物を手に取って眺めることの味わいは別格かと考えておりまして、譲れない一線かとも思います。SP盤の音は鳴らせなくとも、あの盤の重さを手にとって、時代を感じていただきたいという思いもありましてね。

あとは喋り過ぎにならないように、自分自身の匙加減ですね。…お客様がギヴアップするほど喋るなって、当たり前のようですけど、いざイベントが始まるといくらでも喋りたくなってしまうんですよ、困ったことにね…。

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