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7インチ盤専門店雑記173「ジューク・ジョイントで聴くのは…」

嗚呼、もう年末年始のお休みが終わってしまいます。今日から仕込みを再開し、明日からいきなり通常営業に戻ります。実は年末の旅行中に、自宅の冷凍庫さんが断りもなしに引退してしまい、元旦からポチッと買い物して、2日に届けてもらいました。当然年明け早々想定外の大掃除となりました。例年はカラダが動かずにキツイ思いをするところが、猛烈な筋肉痛に見舞われております。激動の一年の兆しでしょうか。

ここのところ、まとまった休みがあると引っ張り出してきて聴いている4枚組CDがあります。「MIssissippi Juke Joint Blues」というもので、以前に何度か書いたことがあるので憶えていらっしゃるでしょうか。1941年9月9日という時点で、ブルースの聖地のひとつ、クラークスデイルの5軒のジューク・ジョイントに設置されていたジューク・ボックスに収められていたレコードをコンパイルしたものです。一枚が26曲ほどありますから、100曲超ですね。

1971年にスミソニアン博物館が紙資料として公開した情報をベースに、全音源を集めてCDリリースされたのが2016年。時代的には第二次世界大戦がはじまる直前といったタイミングです。この年の12月8日が真珠湾攻撃ですからね。メディア的にはシェラックの時代、SP盤のジューク・ボックスということなんですかね。1942年からミュージシャンズ・ユニオンのストライキが始まってしまいますから、1948年頃までは中身がそんなに入れ替えできたとは思えないわけです。だから歴史的に見て、もの凄く貴重な音源集だと思うわけです。

しかも収録されているのが、ブルースのみならず、ジャズ系も多く、しかも意外なことにグレン・ミラー楽団まで収録されていることです。他にもドゥーワップやら純粋なポピュラー・ミュージックも含まれています。ジューク・ジョイントのオーナーのセレクションなんでしょうけど、結局それほど簡単にレコードが入手できなかったこともあってのラインナップということなのでしょうか。

これを入手して以来、老後は全音源のアーティストや当時の環境等を調べてみたいなと思っているわけなんです。今回もクリスマス頃から聴き始めたわけですが、どういうわけか聴き入ってしまい、調べものなどの作業には進めません。コロナ禍の休業期間中にもやってみようかと思い立ったことがあったのですが、やはり聴き入ってしまい、全然捗りませんでした。結局老後の楽しみにとっておくしかないのでしょうか。

ノイズ・シェイプされており、意外に聴きやすい音質になっておりますが、個人的にはピアノの低音成分が好きではないので、こういった古い音源のコンピは好きな音質のものが多いわけです。今回も長期のお休みはもう終わってしまいます。まあ、急いでやるべき作業ではないので、のんびり行きましょうかね。そんなわけで、年明けのジンジャーはなんだか古臭い音楽が流れているかもしれません。ご了承願います。


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