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伊藤銀次のギターソロ

甲斐さんの「サウンドストリート」で佐野元春を知り、アルバム『Heart Beat』を聴き込んでいた頃、今度は佐野元春さんご本人が、サウンドストリートの月曜DJになるとのアナウンスが。

心待ちにしていた第一回、第二回の放送はなんと佐野さんご自身のスタジオライブだった。
録音テープは当時何度も聴いた。多くの曲にアルバムとは異なるアレンジが施されていて、それがまたカッコよかった。

特に僕の胸を打ったのは、『さよならベイブ』での間奏のギターソロだった。アルバム収録Verでもエンディング部に印象的なギターソロが配置されていたし、このラジオライヴ版のギターソロも、アルバムテイクのモチーフをもとに弾かれていたわけだが、佐野元春の「銀次!」のシャウトに導かれて伊藤銀次が弾き始めたそのソロには、メロディそのものに心を揺さぶるサムシングが溢れていた。
録音したテープを何度も聴いて、僕はそのソロを夢中でコピーして、やっぱりあんな風には弾けなくて、とても悔しかったのを覚えている。

その放送の翌年、伊藤銀次のソロアルバム『Baby Blue』が発表される。


横尾忠則さんの印象的なジャケットを纏ったそのアルバムには、ポップソングの「優しい」部分が極めて純粋な形で結晶化していた。
そんな中にほんの少しだけ暗い影を差している『ONE WAY TICKET TO THE MOON』という曲を、僕は特に気に入って、大学に入って最初に組んだバンドの初めてのライブでカバーしたんだ。

今でもレコードで大切に聴いている盤だけど、2022年11月、なんとその横尾忠則ジャケのメガジャケ付きで再発されるようです。どうしよう・・・

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