コント・名を剥ぐ

後輩「あれ?もしかして宮藤明先輩じゃないすか?」
先輩「ん?おお!鈴木じゃないか!久しぶりだなあ!元気だったか?」
後輩「はい!おかげさまで」
先輩「鈴木は今何やってんだ?」
後輩「不動産の営業を。あ、名刺渡しときますね」
先輩「おう、じゃあ俺も」
         2人、名刺交換する。
先輩「へえ、磯貝不動産か。大手じゃないか。凄いとこ勤めてんな」
後輩「いえいえとんでもないっすよ。全然下っ端すから」
先輩「相当羽振りいいだろ?」
後輩「いえいえ。まだまだっす」
先輩「今度武蔵小杉に立つタワーマンションも磯貝だったよな?」
後輩「ああムーランルージュですね」
先輩「こないだ内覧会行こうとしてた所だよ。へえ、そうか磯貝か」
後輩「あのー、先輩?」
先輩「なんだ?」
後輩「名刺に職業「道場破り」って書いてありますけど、これって所謂あの道場破りですか?」
先輩「いや。ちょっと普通の道場破りとは違うんだけどな」
後輩「普通も充分凄いすけどね」
先輩「まあ俺の場合、相手を倒してからが始まりだからな」
後輩「倒してからが始まり?」
先輩「うん、名刺の裏に過去の実績が書いてるんだけどな」
後輩「あ、ほんとだ。ん?これって道場破りなんですか?」
先輩「何が?」
後輩「いや、なんか道場じゃなくて有名人の名前書いてますけど」
先輩「そうそう。俺は、有名人の芸名をもぎ取る仕事してんだよ」
後輩「え?どういう事ですか?」
先輩「そこに書いてる有名人の名前見てみろ」
後輩「つのだひろ」
先輩「分かるか?よーく見てみろ」
後輩「あれ?つのだひろさんの真ん中の☆マークが無い!」
先輩「そうなんだよ。つのださんにタイマン勝って、真ん中の☆マーク奪い取ったんだよ」
後輩「スゲエ!だから先輩の名前の真ん中に☆マーク付いてたんだ!あれ?待てよ?でもこないだアド街でつのだひろさん見ましたけどテロップに☆マーク付いてた気がするんだけどなあ」
先輩「アド街のひろさん見た?」
後輩「はい。確か☆マーク付いてましたよ」
先輩「あれよく見てみろ。あのマーク単なる☆マークじゃなくて六芒星だから」
後輩「六芒星?ということはもしや?」
先輩「そう」
後輩「つのださん、先輩に負けた後ダイヤモンドユカイさんから☆マーク取ったんですか?」
先輩「そういう事」
後輩「じゃあ今ユカイさん六芒星無いんすか?」
先輩「ああ、今ユカイさんの真ん中&になってるから」
後輩「&?もしやチャゲアスから?」
先輩「そうそう。飛鳥が居ない隙にCHAGEをな」
後輩「なるほど。じゃあ今ダイヤモンド&ユカイってユニットみたいになってんすねえ。あれ?藤岡弘さんも書いてる!先輩勝ったんすか?勝って「、」取ったんすか!?」
先輩「まあな」
後輩「あんな強い人にどうやって勝つんすか?」
先輩「コーヒー入れてる時に後ろからキュッと」
後輩「なるほど。確かにコーヒー入れてる時の藤岡さん隙だらけですもんね」
先輩「今、藤岡さんの語尾「。」だからな」
後輩「え?もしかしてモー娘。すか?」
先輩「いや藤岡さんが女子供に手を出すわけ無いだろ」
後輩「じゃあ誰から「。」取ったんすか?」
先輩「ハッピハッピー。さんらしいぞ」
後輩「はあ、さすが藤岡さんだなあ。 先輩逆に負けた相手とかいるんすか?」
先輩「あー‥‥それを聞くかあ」
後輩「いるんすね?」
先輩「ああ」
後輩「誰ですか?」
先輩「磯野貴理子だ」
後輩「え?貴理子さんに負けたんすか?」
先輩「いや負けたと言っても初戦は勝ったんだよ。向こうから襲って来たから、ちょっと手首を怪我しない程度にキュッとな。俺は女性と本気で闘うつもりは無いから」
後輩「なるほど!一時期「磯野貴理」になってたのは、それが理由なんすね?」
先輩「そうなんだよ。だからそん時は俺の名前、宮藤明子だったんだよ」
後輩「完全に女性の名前ですね」
先輩「ただ、その後寝込みを襲われてな」
後輩「寝てる時に奇襲ですか?」
先輩「しかも松居直美と森尾由美連れてたな」
後輩「「早く起きた朝は」軍団が襲撃に!?」
先輩「あの番組より早い時間だったからな」
後輩「相当早い時間すね」
先輩「夜明けだったな。1番深い睡眠の時だな」
後輩「さすがあの3人場数踏んでるだけありますねえ」
先輩「気がついたらピンクハウスのフリルが首に巻きついてたな」
後輩「森尾さんに頸動脈をキュっと?」
先輩「ああ。だから一時期森尾由美子になってたな。テロップ一瞬しか出さないから視聴者気づかなかったけど」       

 後輩「じゃあその後、貴理さんが森尾さん倒したんすかね?」                       先輩「だろうな。なんかギスギスしてた時期が一瞬あったから。まあ、それが最初で最後の敗北だな」
後輩「そうなんすね。あのー先輩の名前プリンスのマークも付いてますけどこれは?」
先輩「尊敬してるからな」
後輩「あ、これは勝手に付けてんすね」
先輩「大好きだから」
後輩「てっきりプリンスやっつけたのかと」
後輩「馬鹿言うなよ。俺は腕っぷしが弱い人と女性には狙われない限り絶対手を出さないから」
後輩「さすが先輩変わってないなあ。あれ?」
先輩「どうした?」
後輩「先輩の名前に「Ø」って付いてますけど、も、もしやあの氷室さんに?」
先輩「いや、酔っ払ってる高橋さんをキュっと」
後輩「卑怯者!!」

            (おわり)

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