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映画館で「サーホー(万歳)!」と叫ぶ日

緊急事態宣言がようやく解除され(まだ予断を許さない状況ではあるが)少しずつ平穏を取り戻しつつある。

といっても、元々頻繁に外で遊ぶ趣味はなく家に籠っていてもそこまで苦ではなかった(むしろ積んでいたゲームや本に集中的に崩せたまである)。
6月に入り、そろそろ外に出てもいい頃なのでは?と思った矢先にツナ缶氏のNote記事を読んだ。

それはとある映画ファンの、数か月振りに映画館に行った喜びをこれでもかと書かれていた最高の記事だった。

映画館に行こう

映画館に行きたくなった。記事を読んでそう思った。氏ほどではないが、俺も映画は好きだ。PCの画面でアマゾンprimeを観るのも悪くないが、やはり大きなスクリーンに映し出される迫力ある映像とあの大音量で腹にクるサウンドを感じたい。よし、映画館に行こう。

久しぶりに映画館に行くんだ。せっかくなら、スカっとするようなどでかい一発を食らわしてくれる作品が良い。
サイトで上映作品を吟味している時、『サーホー』が目に留まった。そうだ。この映画はわたしの尊敬するツナ缶氏がNoteに書いてた。たしか緊急事態宣言ちょい前に公開されて、結局見に行けなかったんだ。よし、これにしよう。

自分的お気に入りの、真ん中らへんの列のちょい左の座席を予約していざ映画館へ。

ロビーは一時的にグッズ売り場や椅子が撤去されてて(ウイルス対策だろうか)食べ物もポップコーンやチュロスは販売しておらず、いつものキャラメルの甘い匂いがしなかったのはちょっと寂しかった。やはりまだ以前ような活気は見られなかった。

場内に入って席に座る。目の前には大きなスクリーン。よぉ……2か月ぶりだな……。と思ってる以上に興奮してる自分に驚いてる。落ち着いて目薬を差して、これからの映像のために目を休める。
開始時間直前、いつもはスタッフさんがスクリーン端で前口上を言ってくれるのだが、今回はなかった。これもコロナの対策だろうか。場内に入る前も所々にアルコール消毒のボトルが置いてあり、感染拡大しないよう細心の配慮をしてくれている。
本編上映前のいつもの「カメラ頭のあいつ」。確かに懐かしい。いつもはちょっとイライラする存在も、会わない期間が続くと寂しくなるものらしい。予告映画も最近は情報を取り入れてなかったので結構気になるタイトルが多かった。ランボーもうすぐ上映するのね。過去作見なきゃ。
いつもは目が疲れるので目をつぶってることの多い予告も、喜んで見てしまうくらい映画に飢えていたのを実感した。

なんでも盛り盛りアクション映画『サーホー』

感傷に浸るのもそこそこにして、『サーホー』の話をしなくては。
といっても映画を観る前の私はサーホーについてほとんど調べてなかった。あの『バーフバリ』のプラバース氏が主演、なんだかすごいアクション、チケットを見たら上映時間が約3時間というだけだった。
3時間といったら、通常の映画の1.5本分。アクション映画は多少短い時もあるから2本分換算と言ってもいいかもしれない。だが映画を観終わった所感を言わせてもらうと、アクション映画を3本くらい観たような気分だった。

結論から言うと、とにかくものすごい濃い内容だった。

開始早々に世界観を早口でナレーションされたかと思えば、なにやら悪そうな奴らの暗躍が。かと思えば一気に場面は変わり、集合アパートで荒くれどもをバッタバッタなぎ倒すアクションが始まり、次に奇妙な強盗事件が起こったのを聞かされ、犯人を追いかける刑事モノに展開したかと思えば、「バッカヤローそいつがルパンだ!」となりタイトルがドーンと表示され、たくさんの美女が躍る映像と車が戦車に轢かれる映像を同時に見せられたり、ヒロインが追いかけてきたと思ったら撃たれて捕らわれの身になるし、ビルは爆発するわ大型トラックでカーチェイスするわ、最終的に砂漠で世紀末ヒャッハーな方々が出てくるけど、なんかなんやかんやでハッピーエンドに落ち着く。しかもこの流れの中でインド映画おなじみのダンスも欠かさず入ってくる。記憶では3~4回は間に入ってた気がする。脳がぶっ壊れそうだった。何を言ってるんだと言いたくなるが、確かに観たんだ。あの大きなスクリーンで。疑うんなら今すぐに映画館に行って観てくれ。

登場人物もかなり多く、様々な組織の様々な人物の思惑が錯綜しているので最初から中盤は何が何だか分からなかった(観終わった後公式サイトで人物相関図を見てようやく理解が追いついた)。インドの俳優さん方の顔をまだ見慣れてなくて、あまり区別がついていないのも理解の遅延の原因の一つだろう。

じゃあ今回の映画は難しい映画なの?と思ってはいけない。
この映画は最終的に『サーホー』を、あるいはプラバースというスターとして称えることに帰結する。上記の突拍子もないシーンも「こういうことだったのか!」と気づいた瞬間に鳥肌が立つことだろう。どんなに話が難しく展開しようが、すべての要素は一人の男に集約される。そのカタルシスを得ただけで、もう満足すぎるくらい満足なのだ。なので主役のプラバースを見続ければ良い。それで何とかなる。プラバース氏はとにかく顔がいい。何をしても様になるので、目を離すことはできないだろう。

万歳!映画館で映画を観られる喜びに万歳!

息をつかせぬほど二転三転四転する怒涛の展開と超ド派手なアクションシーン。終始ハラハラドキドキでスクリーンから目を離せなくなる感覚。そうだ、これだ。これこそ映画の醍醐味だ!そう心から思える最高の映画だった。

自粛明け一発目にこの映画を観られて本当に良かった。ありがとう、サーホー。ありがとうプラバース映画館で映画を観るという娯楽が戻ってきて嬉しい、万歳!


最後に

どこの娯楽施設もなかなか難しい状況が続く中、映画館側も色々対応をしてくれている。万一「感染クラスターが映画館だった」とならないよう、私たち自身も映画館(ほか娯楽施設でも)に行く際は手洗いうがい、マスクの着用を心がけていかなければならない。
また満員の映画館に行ける日が来るように微力ながら協力していきたい。

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