痛い日

1月15日(水)

ぎっくり腰の痛みがひいてやっと通常運転、と思ったら、今度はまだ抜いていない親知らず付近の歯茎が腫れてずきずき痛む。先週、インフルエンザのために歯医者の予約をキャンセルしてしまったので治療が中断している。昨年末に右上の親知らずを抜歯したことで、まだ生き残っている親知らず(どうせ虫歯)が危機感を持ってアラートを出しているのかもしれない。しかし、虫歯が存在感を主張すればするほど、その歯の治療の優先度は高くなるのだ。早々に口内から追い出して、歯茎を腫れさせたことを後悔させてやる。歯茎は痛いしそれとは別に頭が痛いし眠くて仕事に集中できないしでしんどかった。

早々に退勤して、ヴィドフランスで時間をつぶしてから整体へ。ぎっくり腰はすっかりよくなったと話したら、U先生もよかったよかったとにこにこしてくれた。整体を終えて、スーパーでバナナと焼きそば麺と朝食用のパンともやしを買って帰宅。仕事に復帰してから、また全く自炊できない生活に戻っているけれど、自分の食べるものを自分の手で用意したい気持ちはあるみたいだ。

毎日少しずつ読んでいる梯久美子『狂うひと』が面白すぎる。900ページあって今ちょうど半分くらい。

島尾敏雄とミホの結婚前後の経緯について書いた第四章が圧巻だった。ミホが狂った原因は夫の不倫だけではなかった。奄美大島の集落の有力者に大切に大切に育てられたお嬢様が、愛し合った男と結婚するために命からがら本土に渡ったのに、夫は家庭を省みず、夫の身内や女中にまで尊厳を否定するような態度をとられるのだ。しかも敏雄は、小説を書くために、自分の情事について書いた日記をわざとミホに読ませた可能性があるという。『死の棘』を読んでミホの狂乱ぶりと家庭の崩壊具合を知っている読者からすると、それが敏雄本人の手で故意に引き起こされたらしいことに驚きを隠せない。生きるために書くのではなく、書くために生きた人だったのだろう。そしてミホも負けじと、夫の書くものをコントロールしようとし、自らの言葉で夫婦の出来事を語っていったという。読んでいて心が痛い。痛いのに続きが気になりすぎて、もう仕事に行かずに一気に読みたい。

#日記 #エッセイ #読書 #狂うひと

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