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「もう戦争しかない」という状況は起こり得る。その前にできることを考えさせられる本

ロシア軍によるウクライナへの侵攻によって、戦争がはじまりました。
連日報道されるウクライナの様子、気になりますね。

3年前の終戦記念日に、加藤洋子著『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』を読んだときにしたためた文章が出てきました。
過去の文章というのは超恥ずかしいのですが、でもこの本はとても良い本なので、関心のある方にはぜひ知ってもらえたらと思い、恥をしのんで載せます。

世界中の賢い人たちが知恵を出し合ってもどうしようもない状況になってるから
私が今、日本でこの瞬間に戦争を止めるためにできることなんて殆ど何もないのでしょうが
それでも知ることは大切と思ってくださる方にはシェアできたらなと思い。

「戦争なんてやらない方がいい」

そんなことは明らかでも「もう戦争しかない」という状況にはなりえるということ。
実際、過去に日本はそうなって戦争に突入した、ということは知ることができます。


2019年8月15日

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』
加藤陽子著

高校の先輩がオススメ本の一つとして挙げていたので、昨日図書館で借りてきて読み終わりました。
高校生への講義をまとめたものなので読みやすい。
読みやすいけど、私の頭の中はパンパンで消化不良、咀嚼中のところもたくさんです。

今年(当時の2019年のことです)は戦後74年であると同時に、明治に元号が改元されてからちょうど150年なのだそうです。
つまり、終戦の1945年あたりを折り返し地点として倍の年月が流れたということになります。

この本は、近代の日本が行ってきた日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、日中戦争、太平洋戦争当時の世界の情勢などを俯瞰しながら、日本が戦争を選んできた歴史を解説したものです。

これを読むと、明治〜1945年まで、10年に1度くらいの頻度で戦争に明け暮れてきた前半75年だったことがわかります。

帝国主義が幅を利かせ、韓国や満州を抑えておかねばいつ侵攻されるか分からない、という時代背景があったとはいえ、「戦争」が普通に選択肢の一つになり得た時代でした。

全身ハリネズミ状態で、少しでも侵攻の不安を打ち消せるように領地を広げるために戦争を繰り返す。そして勝ってると欲が出る。

結果は310万人が死んで焼け野原……。

1945年の敗戦後、後半74年間は(一応)憲法9条を盾に戦争はせずに済んできているわけですが……

これからも戦争はしないで済むならその方がいいと思うけれど、香港でのデモ、ホルムズ海峡への駆逐艦派遣、日本と韓国の関係、表現の不自由展への公権力の介入や脅迫(暴力を振りかざして要求を飲ませることを成功させてしまった ※1)……

※1:2019年当時は「表現の不自由展」に反対する者によるテロ予告がなされ、展示が中止となったという事件がありました

今この時だって、いろんな戦争の火種になりそうなものがそこら中にゴロゴロしています。
戦争は、はじめは戦争の顔をしてないこともある。

「もう戦争しかない」となる前に、小さな火種のうちに気付いて消火できる注意力が現代の私たちにあるだろうか、と考えさせられます。

#終戦記念日 #読書感想文

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