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「うっかりメラニア夫人?」肩掛けジャケットスタイルで登場

本日月曜に行われた、大統領と矛盾していると言われている、メラニア夫人の「ネット攻撃防止訴え」スピーチ。

その内容などなどはいつもの如く置いておき、メラニア夫人のスピーチに今回も思うのは、こなれなさ、硬さ、不自然さ。
多分、もともと英語ネイティブでない人が喋るには難しい原稿が作られていて、それを喋らされているのでしょう。それに加え、彼女がいつも喋る、そしていつも書く文章とは大きくかけ離れていて、上滑りしてしまいメッセージが重ならないというのも、このぎこちなさの原因とも考えられます。

従って、プロンプターの文字を読むにしても、なんとか間違えず(上手に)喋ることのみに意識がフォーカスされており、気持ちに全く余裕がない、当然声にも顔にも表情がない(表情をつけるには気持ちに余裕がないと不可能)。特に目、目は現在を表すといいますが、固く無表情になっています(いつも・・・)。

スピーチやプレゼンテーションにおいて、「上手に喋ること」と、「人に伝わるように喋ること」は大きく違います。上手でなくても、その人がその人の言葉とトーンで相手にわかりやすく、訴えかけるように喋ること、これが人に伝わるスピーチ。

その、メッセージ伝達の一助となるのがアピアランス(服装・ジェスチャーなど)なのですが、今回も疑問点の多いこと多いこと。

photo: Town&Country

まず、テイストとしてはクラシカル、エレガントかつトラディショナル。ライトブルーのボウタイ・ブラウスに黒もしくは濃紺と見られるパンツ・スーツ。寒色でまとめられており、無表情なイメージに拍車をかけた感が強くあります。彼女の場合、良くも悪くも、もう少しファッショナブルさかグラマラスさを加えないと、持ち味とのバランスをとるのが困難。「真面目コスプレ」のように見えてしまうのは、そういう理由。だからと言って、ジャケットに袖を通さない肩からかけるスタイリングで登壇、それでスピーチをしてしまうというのは如何なものか?登壇時にジャケットを脱ぐ前提でいる場合、人もあまり見ていない控えの席であれば可ですが。10,000歩譲って、話す予定はなかったけれど、いきなり指名されて慌てて壇上に上がってしまった人の「うっかりスタイル」だとしても、FLOTUSとしてはお粗末。

FLOTUSとは: アメリカ大統領夫人の意味。「First Lady Of The United States」の頭文字を使った略語。
ちなみに、POTUSは「President Of The United States」の略で、アメリカ大統領

photo: Town&Country

エチケット的な点での疑問もさることながら、筆者が気になってならなのはもっと違う点。

FLOTUSのようにグラマラスなボディ・フィギュアの場合、ボウタイ・ブラウスを着た時点で体の膨張感が増します。首元まで生地でフルに覆われ、上半身のボリュームは必要以上に大きくなる上に、ボウタイが胸元にさらなる立体感とボリュームを加えてしまいモッサリ(逆に上半身が華奢な方やお胸の寂しい方は、これでボリュームを稼げます)。その上、今回ジャケットに袖を通さず肩にかけたことにより、ちょうど演台から上に現れる彼女の上半身(特にバストラインを横の伸ばした彼女の体の幅)は、通常の1.5倍くらい大きく見えてしまっているのです。グラマラスを超えて太って見える、これは喜ばしくないはず。

また、この装いは、ハンド・ジェスチャーがつけられません。演台の上に手を出してまで表情をつける必要はないにしても、このスタイリングでは肩からジェケットを落とさずにスピーチを終えることにも気を取られてしまいます。また、スピーチをする際、手を動かすことができない状況にあるということは、自由を奪われている(ストレスを与えられている)ため、スピーチへの集中力が落ち、伝達力は格段に低くなります。

*是非試してみてください。手を体の横に固定されたまま、何かを喋った時と、手が自由に動く状態で喋った時の表現力にどれだけ違いが出るか、そして、手の表情が自然に大きくついている時の表現力がどれだけパワーがあるか、実感できます。

そのようなことを踏まえた上でこのスタイリングをしたのであれば、FLOTUSとして登壇する任務を怠っていると言われても仕方がないでしょう。その上、彼女が良く見えないというおまけつき。

メラニア夫人がアメリカ史上最も美しいFLOTUSなのであれば、参謀の方々も、せめてそれだけは重要な軸として守ってあげて欲しいものです。美しいことは重要な価値であり、美とはその人がその場に現れるだけで多くの人を喜ばせることのできる、天賦の才だと本心から思うので。

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