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異国と島をつなぐ満点の星空

広大な土地が生む、ここでしか味わえない、珍味。ヴィクトリア湖で捕れる新鮮な淡水魚。赤道直下の真夏の太陽を浴びながら、額ににじむ汗と白い歯を光らせ、常に未来を見ている人たち。どこからともなく、聞こえてくるアフリカンな歌と太鼓が奏でるハーモニー。


気候も人も温かく、かつ美しいさも併せ持つ、かつて「アフリカの真珠」と呼ばれたウガンダ。


ここに住んでみると、国全体から溢れ出るパワーをひしひしと感じる。この不思議な感覚は、喜界島と同じだ。
 考えてみると、奄美とウガンダには意外な共通点が多いことに気付く。日差しは強いものの、日陰にいると、心地よいそよ風が吹いてくる。雨季の豊富な雨は、植物の成長を促進する。太陽の日差しと、たっぷりの雨を受けて育つバナナ、マンゴーなどは、島で取れるものと同じである。また、隆々とそびえ立つガジュマル、青い空の下、緑の葉を広げる一面のサトウキビ畑。その光景は、まさに喜界島そのものだ。他にも、名前は知らないが、島で見かける植物にたくさん出会うことができる。
 

人々の性格も島人と非常に合う。代表的なのが「アフリカ時間」。待ち合わせしても、時間通り集まることは、まずない。集合時間にそろそろ家を出るか、と動き出す。バスにも時刻表はなく、基本ルート内であれば、どこからでも乗り降りが自由にできる。近所はみんな家族みたいに接してくれる。帰り道には、

「HEY! Muzungu(外国人の呼び方)」

と声を掛けられ、世間話をしたり、カードゲームをしたり、夜ご飯をごちそうになることもしばしば。雨が降ると洗濯物を取り入れてくれ、時にはおかずをお裾分けし合うことも。
 

上京し、アパート暮らしになり、上下左右の住人に気を使い、街で合っても気付かない関係よりも、いい意味で気を使わなくてもいい、お互いの「心がバリアフリー」の環境が心地よく感じる。
 

加えて、子どもが生まれた、学校を卒業した、結婚したとなれば、近所みんなで祝う。そこで行われるのがダンス。しかもそれがまた、島と酷似しているから驚きである。
 みんなで円になり、太鼓を鳴らしながら自由に思いのまま体を動かす。「あ、島っぽい」。そんなことを考えながら、眺めていると、引っ張られるように円の中心に。島人魂に火が付き、全力の六調と指笛で対抗する。すると、同じく指笛が聞こえてきたのだ。たまたま彼ができただけかもしれない。だが、ただならぬ親近感を覚えた。 

これら全てを、単なる偶然で片付けていいのだろうか。上手く、交流を始めることは、できないものか。もしかしたら、自分が今回、ウガンダに派遣されているのは、こういうことをするためなのか。静かな夜、あのころ見ていた島の夜空と同じ、燦々と輝く星を眺めながら思うのであった。

#アフリカ #ウガンダ #国際協力 #喜界島 #奄美大島 #グローバル #ローカル

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