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大学職員の仕事って、ぶっちゃけどうなの?

【ネット記事】
最近よく、「大学職員は楽して儲かるいい仕事ダYo!」的な、僕にとって結構センセーショナルな記事を見かけるようになりました。(職業柄、エゴサやってるとブラウザが勝手に学習して、これでもかとばかりに検索画面上に記事を陳列してくれるので当然の結果かも知れませんが…)

例えばこちらの記事↓

この記事の場合は「売りたい本」を宣伝するためのものではありますが、そもそも大学職員のどーのこーのが書籍になり得るのですね。

個人的には、あくまで個人的には、どんな仕事でも職場でも、真面目でよく仕事のできる人はいるし、逆も然りだと思います。なので、一面的な事象を点で捉えて一般化することは危険(というか誇張)だと思います。

【僕の立場】
組織(大学法人)が国立か、公立か、私立か、その区分によっても待遇等の環境は異なりますが、僕の場合は公立大学法人の職員なので、その立場・視点に基づいた記事を書いています。

例えば公立大学の場合、2003年までは運営母体が都道府県(や市町)等でした。市立大学は市が、県立大学は県が運営母体だったのです。2004年に国立大学が法人化されたことに伴い、公立大学も法人化へと舵を切っていきました。それまでは、公立大学職員は公務員という位置づけでしたが、いわゆる民営化の道を歩み始めます。とはいえ、給与面は人事院勧告に則るという前時代的な枠組みを残したりしていますし、実際には大学法人によって採用される「プロパー」と呼ばれる職員はそれほど多くなく、県庁や市町からの出向者の方が多数派であって、しかも係長級以上の役職者等経営陣にプロパーはほとんどいないか、いても天下りという、あくまで公務員による運営体制の色が残っています。

公務員のように、前例に従ってルーティン業務を粛々と処理していくパターンの場合は、誰がやっても恐らく大差ない安定的なアウトプットができていきますよね。安定的なルーティンを大学に置き換えると、無難な学生募集、入試、入学、4~8年間(進学すればそれ以上)の学修期間、卒業…といったサイクルが巡っていく、といった具合です。多くの歴史ある公立大学が前例踏襲のルーティンに乗っかっていると思います。

他方、例えば国際教養大学のようなEdgeの立った新設公立大学はどうか。あそこの教職員は、(お会いして直接お話ししたことはありませんが)きっとめちゃめちゃ尖っていると思います。前例打破が合言葉になり、ゼロイチの業務に心を燃やす人たちが多いのではないでしょうか。
少なくとも僕は、広島で公立大学の新設~開学後の運営に関わっている間はそうでした(過去形...( = =) トオイメ)。

【で、ぶっちゃけどうなの?】
さて、本題(?)に戻りたいと思いますが、大学職員の仕事ってどうなんでしょうか?楽なの?しんどいの??給料は???

仕事としては「人(学生)」を育成するプロセスに関わることができる点でやり甲斐はあると思います。

細かく言うなら、例えばルーティン重視で運営されているような歴史ある大学は、そういう業務が肌に合う人にとってすごく楽しい、働きやすい環境だろうと思います。僕がそういう職場に放り込まれたら、ルーティンが肌に合いませんので、しんどいと感じるでしょうね。

逆に前例打破の運営をやっているような大学(例えば新設大学)は、必然的に勤務時間が長くなってしまうと思いますが、どんなに時間外勤務が求められようと、僕だったら全然しんどいと思いません。むしろやり甲斐しか感じません。しかしルーティン業務を好むタイプの方には苦痛でしょうね。
なので、仕事に対する価値観によっても感じ方は異なるのかも知れません。

ただこれだけは言えることとして、どんなパターンの大学でも、仕事は決して楽ではありません。このことは、どんな業界や仕事内容であっても普遍かもしれませんね。

ちなみに公立大学の場合、先にも述べた通り人事院勧告を給与算定基準にしている(=公務員の給与)ので給与は安定しています(良くも悪くない)。公立と私立では、私立の方が給与/待遇がBetterだと思います。複数大学を個人的に調査・比較した結果、例えば係長級で100万円程度の差がある(根拠が示せなくてごめんなさい)ようで、調べなきゃ良かったと思いました。

【最後に】
現職の大学職員さんや、大学職員を目指している方がこの記事をお読みになっていると仮定して、最後に一言申し上げます。

高等教育に関わる/高等教育を仕事にする なら、職員としてではなく、「教員として」の方がいいかも知れません!

僕がそう考える理由は…


いずれ皆さんにお届けしたいと思います。

ご笑読ありがとうございました。

それではまた。^^

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