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ピュアな理念へのコミットで常識を覆せ:Galapagos Supporters Book⑪(前編)

シリーズAで累計13億円の資金を調達したAIR Designのガラパゴス。
そこには株主や顧問、社外取締役という形でガラパゴスを支える、たくさんの支援者の存在があります。
ガラパゴス・サポーターズブックでは、そのような外部の支援者と、ガラパゴス代表・中平の対談を通して、ガラパゴスとAIR Designの魅力をお伝えしていきます。

第11弾は、AIR Designのリリース前から事業と組織の成長をサポートいただいている監査役の海野さんです。

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■ 海野慧プロフィール
CarpeDiem株式会社 | 代表取締役社長
立命館大学国際関係学部卒業後、株式会社じげんの創業期に参画。事業の立上げ・拡大に営業・事業責任者として従事。2013年に取締役就任、東証マザーズ上場。上場後は経営企画部門にてM&Aを推進。またNTTドコモ社とのオープンイノベーションとして協業事業の立ち上げなどを行う。
退社後、CarpeDiem株式会社を創業。主にスタートアップ企業向けの組織構築コンサルティングや経営者向けのコーチング事業を展開。

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世の中をひっくり返すために引き合った2人

ーー最初に海野さんの自己紹介をお願いします。

海野:CarpeDiemという会社の代表をしております。ガラパゴスをはじめ様々なスタートアップのサポートとして、事業開発や、経営者の方々を中心にコーチングのサービスなどを提供しています。急成長するときにどれだけ大きいパートナーと組めるかがスタートアップにとって非常に大きなポイントだと思っているのですが、そのような機会が世の中にはまだまだ少ないと考えていて、大手との協業サポートのビジネスも強化しているところですね。

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▲ 教育業界の大企業とスタートアップの協業のきっかけをつくる「Start Camp」を主催する海野さん。これまでにない機会を生み出されています。

中平:ぼくは普段「さとちゃん」と呼んでます。ちなみにCarpeDiemってどういう意味なんでしょう。

海野:イタリア語とかラテン語で「今を生きる」ですね。

中平:いいですね。さとちゃんが前職のスタートアップで事業を成長させていた時はまさに「今」を生きる日々で、会社の目指す世界観と自身の世界観がマッチングしたことでさらに拡大していった感じですよね。

海野:ぼくは「じげん」という会社に12年いたんですね。長くひとつの会社にいることが必ずしも正しいわけではないけれど、会社と自身の目指す先がマッチングすることは、より良い人生につながると感じています。

中平:今ではお互いを深く知り合っているぼくたちですが、出会ったのは2018年5月で、まだ4年弱なんですよね。最初に会った時、ぼくがやっていたロゴのAIの研究開発について熱っぽく語って。テーマ的にニッチなのか、経営者仲間でも他に食いつく人はあまりいなかったんだけど、さとちゃんはすごく興味を持ってくれたんですよ。

海野:聞いたときは「面白い!これは世の中ひっくり返すな」と感じました。

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中平:じげんのオフィスにお邪魔して話を聞く中で、「どうにかこの人をガラパゴスに引き寄せられないかな」と思っていたんです。当時「サウナに2人で行くと仲良くなる法則」を見出してたので、よく誘ってました(笑)2019年の頭くらいかな、「卒業しようと思う」と聞いてすぐに顧問についてもらえないかお願いして。

海野:そこからは割と早いタイミングで入らせてもらいました。「できることは何でもやる」というスタンスで、色々お手伝いしましたよ。現在の経営ボードの方々が入社を検討している段階で、その後押しをしたり。やっぱりそれもサウナで(笑)

中平:そうそう、当時の執行役員候補を口説く際にも「客観的にガラパゴスの良さを伝えてほしい」とさとちゃんに出てもらって。それが2019年の9月ぐらい、ちょうどAIR Designをリリースしたタイミングで、とにかく色々と壁打ちをさせてもらってました。

熱い議論と苦しみから生まれた本音のフィロソフィー

海野:当時、AIR Designというプロダクトはでき始めているけど、解像度がはっきりとはしていない印象でした。中平さんとぼくで何回も1on1をして、どこを目指すのか言語化するプロセスをご一緒しましたね。

中平:あの時は、けっこう悩んでたなぁ。

海野:会話を重ねていく中で少しずつビジョンやフィロソフィーの輪郭ができはじめ、中平さん個人じゃなく会社としてもう一段深めるときだという話になって。経営ボード、執行役員メンバーも巻き込んで何度も議論しました。

中平:1 on 1では毎回「小さくまとまってる」と煽りを受けてましたね。悔しかったな(笑)

海野:そう、煽ってました。当時バナーやLPなどサービスの各論の話をしていて、それは当然大事なんだけれど、「あなたが目指すところはそこじゃない」とずっと焚き付けてましたね。

中平:「もっと、もっと大きな世界観で考えなきゃ」と追い込まれていた時期でもありました。2020年の2月から4月で資金調達が終わったのと同時にコロナが流行し始めて、それ以降はZoomやSlackでずっとやりとりしてましたよね。ぼく以外に島田と細羽、内藤、岡崎(現経営ボードメンバー)。ファシリテーターはさとちゃんで、何回もやりました。

海野:5回ぐらいはワークショップをやったのかな。ゴールとかフィロソフィーの導入に関するレクチャーから始まり、「会社として何を目指すのか」を全員で喧々轟々・侃々諤々話し合って、言葉に落とす作業を繰り返して。ガラパゴスにおける「プロセス」「テクノロジー」といった言葉の定義を少しずつつくっていきました。

中平:「プロセス」「テクノロジー」あと「世界」とか。ひとつひとつの定義をじっくり考えていって、最終的に「今ある常識を、プロセスとテクノロジーで解き明かし、産業構造を根底から変え、人がヒトらしくある世界を」に収まったんですよね。

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海野:中平さんが見てるビジョン・イメージと、言葉を聞いた人が受ける印象の違いなど細部まで突っ込んで、最後にこの文章に辿りつきました。「あなたの言うこの言葉の意味は何か」「やりたいことは何なのか」とか、皆の考えにおいて少しずつズレていた部分をすり合わせました。

中平:「すごくいいじゃん」って。このテーマで人生を終えよう、と心の底から思ったのを覚えてます。ミッション、ビジョン、バリューって、組織をまとめる為にツールとして作るような場合もあると思うけど、これは取ってつけたものじゃなくて、本音の言葉として内側から湧き出てきたものだから。

海野:そう!本音じゃないと意味がないんです。パワーを持たないから。

中平:あとはもうひとつ、「デザイン産業革命で関わる全ての人を幸せに」という言葉も解像度が高まった、すごく好きな言葉で。それが何かといえばぼくらの使命なんですよね。この産業をぼく達が変革して、幸せな人を増やすことがミッション。

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海野:立てる旗が明確になったからこそ、共鳴してくれる人がたくさん出てきましたよね。「テクノロジーがすごい」とか「営業利益率が高い」とかそういう話じゃなくて、シンプルな「想い」の部分で、「この指止まれ」が出来るようになって。そこからの加速はすごかったですよ。見ている世界の解像度、メッセージ性がぐっと高くなったように感じました。

中平:見ている景色自体は実は変わってないんですよ。でも具体的に「こういう景色です」と伝えられるようになったので、受け取り側の解像度が格段に上がったのだと思います。

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純粋なコミットメントと相互のリスペクトがあるチームの強さ

中平:あと、さとちゃんに感謝しているのはボードメンバーのケアをしてくれたことですね。やっぱりスタートアップのボード経験があるから、大変さをわかっているんだろうなって。

海野:正直、ケアしている感覚は全くないんですけどね。というのは、やっぱりガラパゴスって良いチームなんですよ。

中平:よく言われるんですけど、改めてこの記事を読む方向けにちゃんと解説してください(笑)

海野:色々な会社を見てきた中で、人間関係のこじれとか価値観の相違とかよく聞くけど、ガラパゴスはそういうのがほぼないから。本当に「ぼくたちは何を実現するためのチームなのか」という共通認識がバチッと合っていて、同じところを見てますよね。

中平:なるほど、たしかに向かっているところが一緒というのはありますね。

海野:もちろん個々人のやりたいことはあるんだけど、それがガラパゴスの目指す先と同じ方向だったり、類似していたりで、皆が「自分ごと」として、フィロソフィーにコミットしているのが分かるんです。

中平:平易な言葉で言うと、尊敬と信頼と。

海野:そう。お互いへのリスペクトもすごくあるし、熱くて気持ちがいいチームなんですよ。深く議論するし、喧嘩もするし、だけどそこには何の躊躇も無くて。本当に高い水準で、全員がプロフェッショナルであることが分かるんです。それが相互に作用しながら目線が上がっていくような、そういうチームができているんですよね。

中平:議論はするけど、一度決めたら全員でやり切る。そういう理想に少しずつ近づくことができている気はしています。

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▲ ボードメンバーで議論を深め、目線を上げるために実施した経営合宿。

海野:経営ボードがそうだから、それは組織全体にも波及するんです。

中平:そこが次のテーマなんですよね。心理的安全性が高いというか、歯に衣着せずディスカッションできるのは意外と稀有なことなんだなと。自由闊達に議論して、決めたことはちゃんとやり切るスタイルはすごく強みだと思っていて。それを会社全体の文化として浸透させるのが次の段階と考えています。

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海野:本当に想いがピュアで、みんなが純粋にやりたくてやってる。もちろんそれを全社でやるのは、人数も増えてるからチャレンジングなことだと思うんですけど、もうほぼできてるような気がするんですよ。更なる独自スタイルをどう築いていくかが次の段階じゃないかと。ガラパゴスは次の生態系を作っていくという。

中平:再現性を高めて拡大していくことですね。まさに独自の進化を遂げていくのが「ガラパゴス」だから。この島で進化したからこそのユニークネス。それができている根本的な要因をちゃんと理解したいとは思う。偶然なのか、なるべくしてなっているのかは知りたいし振り返りたい。

海野:それは、なるべくしてだと思います。起点となる創業メンバー3名の信頼関係やチーム感って当然、一朝一夕でできたものじゃないと思うんです。創業からAIR Design立ち上げに至るまで多くの紆余曲折を経たことで、結果的にそれが当たり前になっているんですよ。お互いをちゃんとリスペクトした上で信頼して、やると決めたらやる。「大変だったら助け合おうぜ」というスタンスがスタンダードとしてもう浸透していますよね。

後編に続く

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▲ 成田の廃校となった小学校で「Start Camp」を主催した海野さん。一泊二日のディスカッションから、数多の協業プレスリリースが発信されました。

ガラパゴスでは、デザイン産業革命に取り組むメンバーを募集中です!

(文責:武石綾子・髙橋勲)