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ビショビショ戦なんかしてないで、早く温めてあげなさいよ

ここではベービさんと呼んでいた我が子も2歳半を超えまして、だいぶ赤ちゃん感が減ってまいりました。

これからはベービさん改め「ピヨ吉」と呼びます。なんだこの急な宣言。


ここ4ヶ月くらい、おっとりさん(夫)の仕事が忙しいそうで週3終電帰宅なんですよ。これがえらいこっちゃでしてねぇ…。


何が一番大変かって、風呂上がりよ!!!


子どももビショビショ、母もビショビショ。

「ママ、あっこ(抱っこ)!!!」

バスタオルで体を拭く前から抱っこを要求される。

どうにかこうにか、びしょ濡れのまま子どもを抱き上げて拭く。


ピヨ吉は拭けた、次は自分!と思った次の瞬間、ピヨ吉はマッパで走り出す。


え!?

あんなにひっついてたのに!???
もう抱っこはいらないんですか!??もう!???



時は冬。

家の中といえど寒い。

早く服を着させて温めてあげたい。

もちろん、自分のことも…!!!!



寒い!寒いよぉ!

何のために風呂に入ったんだ!温まるためだろう!!!!

髪からしたたり落ちる水が身体に当たらないようバスタオルを肩にかけ、ボディローションとオムツを握ってピヨ吉を追いかける。


「待て待てまてぇ〜〜〜!!!」


怖がらせて泣かせたらもっと面倒なので、あくまでコミカルに。
しかし母の目は笑っていない。


全裸で和室の端から端までぐるぐる走り回るピヨ吉。


もちろん母が声をかける程度じゃ止まらない。


ゲラゲラゲラ…

キャハハハハ…

ゲラゲラゲラ…



ばっ!

両手を広げて待ち伏せしたら、逆回りをするくらいの知恵はピヨ吉にもついた。


無理やり捕まえてもオムツに足を通す前に脱走。


ゲラゲラゲラ…

キャハハハハ…

ゲラゲラゲラ…


ゲラゲラと笑いながら走り続けるピヨ吉。

どうしたら止まるんだ。

愛しい我が子が進撃の巨人のミニチュア版に見えてくる。

進撃の小人。
あれ、文字にするとなんだか可愛い。

それにしても走っている本人は目が回らないのだろうか。
目で追っている母は目が回って気持ち悪くなってきたよ?

ぐるぐる走り続けた動物が最後チーズになる絵本があったなぁとうっすら思い出す。

ピヨ吉も放っておいたらチーズになるまで走りそう。


・・・現実逃避をしている場合ではない。
体は着実に冷えていく。


「とぅりゃっ!!!!!」

自分に勢いをつけてどうにか立ち上がり、本気で捕まえにいく。

それでもしっかり3回くらい失敗する。

格闘の末、どうにかオムツを履かせることに成功!

これでオシッコ垂れ流しは回避できた!よっしゃ!!


その次に着させる肌着はなるべく電車がプリントされているものを選ぶ。

「でんしゃだよ〜でんしゃ〜〜」
と甘く声をかけ、
「でんしゃ!」
絵柄に気を取られている間に頭からズボッと被せる。

きゃっきゃ!きゃっきゃ!

これはこれで笑う。


腕を通し、「よし、次でやっとパジャマだ!」と希望の光が見えた瞬間、
ピヨ吉は走り出す。


キャハハハハハ!

ゲラゲラゲラ!!!!

きゃっきゃっきゃっ…


え?また?
わしまだ裸なんだが??


パジャマの柄が電車でも、もう寄ってこない。
エサ効果は肌着で使い切ってしまったらしい。


うえーん!
諦めたい!
ピヨ吉は放置して自分の服を着たい!
もうオムツは履かせたし、そのうちオイルヒーターが効いて暖かくなるのを待てばいいじゃないか!


あかん、心の中のリトルふり子が弱音を吐き始めた。

こちらにも限界が近づいている。
もう容赦しない。


まず先に、暴れられたら難易度の高いズボンから。

「ぎゅ〜!!」と言いながら抱きしめ、ピヨ吉がニコニコしている間にどうにか足を通す。


よっしゃと勝利を確信してズボンを腰までずり上げた瞬間、気付く。

「前後ろが逆だ…」

そのまま放置してもいいかなとよぎる。
いや、ここまで来たのにそれでいいのか。
嫌だ!
このあとも鼻掃除、耳掃除、ドライヤー、歯磨きと工程は残っている!

目に入るたびに「尻ポケットが前にある…」と気になる自分が見える!


そうだ!
わたしは!!
諦めない!!!!!!!!


前後が逆になっているズボンを脱がそうとするとピヨ吉は抵抗して手でズボンを腰に抑える。
さっきまであんなに履くのを嫌がっていたのに、脱ぐのは嫌。
そういうお年頃ってやつか…!!

一旦ズボンを諦め、トップスを着せる。
ここはすんなり腕を通してくれる。
着る気になってくれて良かったよ。

気分が切り替わったところで、バッとズボンを脱がす。
多少暴れるけど、もうここは力技じゃい!
ズボンの前後ろを直す。



よし!
ここまで来たらもういいでしょう!
母、解放!
洗面所へ駆けこむ!


だいぶ肌がカピカピになっている感覚があるので、兎にも角にもすぐにフェイスマスクを顔に貼る。
いつピヨ吉が抱っこ怪獣となって襲ってくるかわからない。
丁寧なスキンケアなどできる筈ないのじゃ!

爆速でニベアのローションタイプをじゃじゃじゃっと全身に塗り、下着、そして念願のパジャマを着る。


ほーーーーーっ。


やっと心が落ち着いた。

裸で冬の寒さに堪えた後だと、パジャマのありがたみがドカンと増す。

パジャマが着れるだけでメンタルがグッと回復するんだから、衣服ってすごいなぁ。



ピヨ吉を捕まえ、ガシッと腕を固定して鼻掃除、次いで耳掃除を。

そこまで終わったらドライヤー!

おもちゃを渡して、動き回らないよう気を逸らしながらドライヤーをあてる。


ピヨ吉が終わり、やっと自分の番だ!と喜んだのも束の間、「ぎゅーにゅー!」と牛乳をせがまれる。


言葉を覚えてきて牛乳のことをもう「にーにー」と呼ばなくなったことにちょっと寂しくなりながら、「はい、牛乳」と渡す。


牛乳に夢中になっている間に、自分の髪を乾かす。


乾かしながらスマホで漫画でもと思ったら、牛乳を飲み終わったピヨ吉に突進される!!!


ぐえぶっ!!!!!!


惨めな声をあげて、スマホを手放す母。

ピヨ吉にしがみつかれながら、髪を乾かす。その目は虚空を見つめているのだったーー…。


🐣🐣🐣


いやー、風呂あがりって意外と工程多いよね!
自分のことを後回しにする健気さを書いてみました。どんな育児日記や。

最中は絶望するんだけど、後で一人で振り返るとむしろ笑えてくる。そんな時間。

ドタバタぶりを動画にしてみたい気持ちもあったんだけど、裸時間が長すぎて無理だと判断!
文字で残してみました。伝わるかなぁ。


日に日に言葉を覚えてコミュニケーションがスムーズになってきているので、こんなに大暴れする期間も、もうそんなに長くないんだろうな。

このドタバタを懐かしがれるようになる未来の自分に捧ぐ。

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