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どうしようもなくオタク

私はオタクだ。創作物を造り出す側でもなく、知識を極めたわけでもないがオタク気質の生き物だ。好きな漫画を何度も読み返すのは当たり前だし、脳内にキャラを置いて辛いとき(歯を治療するときとか)に励ましてもらったりもする(最近はもっぱらプリキュア5の水無月かれんさんに励ましてもらっている、圧倒的安心感である)。日常会話にちょこちょこ台詞を入れてみたりもするし、作者(いわゆるゴッド)の成育歴だってもちろん気になるわけだ。聖地を巡礼する機会に恵まれれば『うごぉぉぉぉおお!!!』と鼻息荒くもなるし、『フォカヌポゥ』のコピペを読めば『この人案外ハルヒの解釈鋭くねぇか?』とも思ったりもする(ダン・シモンズも読まなきゃ…)たまに優しいひとに話を振られれば圧倒的早口でしゃべり始め『聞いてない 誰もそこまで 聞いてない』とドン引かれることも日常茶飯事だ。

そんな気質なのに他者に良く思われようと人畜無害な生き物を装うとしてきた。THE無難を目指そうとしたのだ。四十路を手前にしてその戦略は大間違いだったと胸を張って言い切れるようになった。普通になれないからこそ喉から手が出るほど普通に憧れた。普通になれば友だちができるはずだと信じていた。ただ、普通を維持するのは非常に疲れる。エスカレーターを逆走し続けるようなものだ。端的に思う。無駄じゃね?と。

先日も神保町の書泉に行き『マント2万円かぁ、安いなぁ』と思ってしまうくらいには阿保なのだ。頑張り続けなければ維持できない普通は大変だ。であればたとえ少数派だとしても己の好きを貫きとおせるようでありたい。

ようやく折り畳まれていた羽根を伸ばせる場所にやってきた。『変なのwwwww』の嘲笑を受けず、のびのびと己の好きを集め楽しんでいこう。


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