(掌編小説)くろねこ春子の日常#002拾われた春子
満月の夜に黒猫に変身する女の物語
ぼーっとしてたら満月の夜。気が付けばくろねこ春子に変身していた。このまま部屋にいても仕方ないにゃん。徘徊するとするか。私は窓から外に出て(いつも少しだけ開けてるんです。本当です)蒸し暑い夏の夜に繰り出した。コンビニの明かりが魅力的だが入る訳にもいかず、うろうろしているうちに公園に。そういえばここには公園があったんだな。あまりなじみがない。とても小さな公園の、ひとつだけあるベンチに座っている白髪のおじいさんが、街灯の明かりにうすぼんやりと浮