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妊婦の25%はオメガ3が欠乏している

 オメガ3脂肪酸は健康的な食生活に欠かせないもので、脳や心臓の健康など多くの恩恵をもたらします。しかし、最近の研究によると、妊婦は食事やサプリメントからオメガ3を十分に摂取できていない可能性があるようです。
 
 妊娠中にオメガ3を十分に摂取することは、早産を予防し、赤ちゃんの神経発達と全体的な健康を促進するのに役立ちます。 しかし、研究参加者のほぼ4分の1が、妊娠中に魚を食べたり、オメガ3のサプリメントを摂取したりしなかったと回答しているのです。
 
●妊婦のオメガ3不足が研究で明らかに
 Harvard Pilgrim Health Care Institute(ハーバード大学ピルグリム・ヘルスケア研究所)が2024年2月27日に発表した研究では、妊婦のオメガ3欠乏症について調査されました。この研究では、ECHO(Environmental Influences on Child Health Outcomes)プログラムのデータを用いて、10,800人の妊婦の魚の摂取に関する食習慣と、12,646人の妊婦のサプリメント摂取量を調査しました。

 その結果、多くの妊婦がオメガ3欠乏の重大なリスクにさらされているという、懸念すべき現実が明らかになりました。研究結果によると、参加者のほぼ4分の1(25%)が、妊娠中に魚をまったく摂取していないか、摂取しても月に1回以下でした。また、オメガ3サプリメントの摂取を報告した女性は16%に過ぎませんでした。
 
 また、魚の摂取量が少ない女性は、オメガ3系サプリメントの摂取率も低いことがわかりました。そのため、妊娠中に十分なオメガ3脂肪酸を摂取できないリスクがさらに高くなっています。

●妊娠中のオメガ3欠乏の潜在的リスク
 オメガ3欠乏症が乳幼児や胎児に引き起こすリスクはいくつかあります。 オメガ3は、出生後の子どもの神経発達だけでなく、胎児の脳の発達にも不可欠です。妊娠中のオメガ3欠乏は、行動や発達のスコアの低下に関係しています。

 オメガ3は妊娠中の母親にもメリットがあります。妊娠中のオメガ3摂取は、炎症を調整し、心臓病を予防し、気分障害を予防することにもつながります。また、過敏性腸症候群、がん、関節リウマチなど、多くの病状にも効果があります。つまり、妊娠中のオメガ3摂取は、母親と赤ちゃんの両方に有益なのです。
 
●オメガ3を十分に摂取するには
 オメガ3の1日の推奨摂取量は定められていませんが、オメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸(ALA)のガイドラインは、以下の推奨摂取量を示しています:

- 妊婦:1.4g
- 授乳中の女性:1.3g
- 子供
- 出生から12ヶ月まで 0.5 g
- 1~3歳 0.7 g
- 4~8歳 0.9 g
- 9~13歳の男子1.2 g
- 9~13歳の女子1.0 g
- 10代
- 14~18歳の男子1.6 g
- 14~18歳の女子1.1 g
 
 オメガ3脂肪酸を食生活に取り入れるには、サプリメントを利用するか、オメガ3脂肪酸を豊富に含む食品を毎日摂取することが効果的です:

- サバ、サケ、ニシン、イワシなどの冷水で脂ののった魚
- チアシード、亜麻仁、クルミなどのナッツ類や種子類。
- 亜麻仁油などの植物油
- 有機牛乳、放牧卵、生ヨーグルトなどのホールフード
 

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