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定年後フリーランス☆仕事のさまざまなリアルな記録(1)

 2023年12月第2周目の日曜日、某公共放送系大手カルチャースクールでの月例講座(俳句)終了後、講座運営担当の女性から珍しくちょっと話があるということであった。
 ここ1、2年、ぽつぽつと受講者が減ってきていて、自分の肌感覚で言うと首の皮いちまいで辛うじてつながっているような状況だったゆえ、ああついに今期(2023年10月〜2024年3月)で講師委嘱契約解除かと暗く重くれた気分になったのだが違っていた。話の内容は、①受講料を引き上げる、②コミッション(受講料に対する講師取り分の乗率)を引き下げる、の2点であった。よい話とは言えないが、私としてはとりあえず首が転がらなかったのでほっとした。
 受講料の引き上げは、カルチャースクールがテナントとして入居しているビルの賃料の引き上げに伴うもの。かの疫病蔓延のあいだは据え置いてくれていたが、今回かなり引き上げられたらしい。じっさい今回、カルチャースクールが入っているビルの1階に入っていた証券会社の営業所が出ていってしまっていて驚いた。おそらくこの件(賃料の引き上)が関係しているものと推測する。受講料の引き上げは受講者の方々に直接影響する。カルチャースクールを受講する方は比較的、経済的に余裕のある方が多い印象ゆえ値上げしたからといってたちまちは止めないだろうが、値上げが度重なったり、値上げ幅が大きかったりするとフェードアウトしてゆくひともちらほら出てくるかもしれぬ。
また受講料の引き上げはまわりまわって講師の実入りにも影響してくる可能性がある。つまり受講料の値上げを契機に受講者が止めてしまうということ。月々の講師謝金が減るのも痛いが、講座の受講者数自体の減少で、損益分岐点を下回ってお払い箱になるほうがもっと痛い。とはいえかの疫病大流行の際に離れていった受講者が、収束しつつあるこの時期に到ってもなかなか戻ってこない厳しい状況のカルチャースクールとしては形振りかまわなくなるのは当然だ。
 もうひとつのコミッション(受講料に対する講師取り分の乗率)の引き下げは、今回については受講料の値上げと連動したもの。けっこう切羽詰まっているカルチャースクールは、このタイミングに講師にかかるコストカットをはかった。コミッションを引き下げて今般の受講料値上げ分が講師謝金に撥ねないようにした。ただ従来からの講師謝金額の減少にはなっていないらしい。私の講座運営を担当してくれている女性が、この辺りの細かいことを説明しかけたが、聞かずにすぐに了承の返事をした。ぐずぐず言っても仕方がない。ここのところ水揚げが落ちて、ただでさえ首のあたりが寒くなってきている私としては、こんなところでぐだぐだ言って心象悪くして、委嘱契約が打ち切られたらたまったものではないからして。

 今やっている講座が終了する危機感のある私は保険をかける意味もあって、今(昼)とは別の時間帯(夜)での講座開設を提案していた。それでこのタイミングをとらえてその類の話を少しさせてもらった。結論としては却下された。「夜は受講者(お客さん)が来ないんじゃないの?」との上席の言らしい。その通り。ごもっとも。もちろんそれを分かったうえで、「夜、遊んでいる部屋がもしあるのならば」としたのだが駄目だった。今回は却下されたそれとは別にもうひとつ、新たなスタイルの講座開設を提案した。それは通信講座。かの疫病が大流行して対面講座が全滅したとき、急場の受講者繋ぎとめ対策として、それぞれの受講者とのインターネット、FAX、郵送、直接手渡し等々による通信(俳句の講評と手直し)講座を実施して、かなり好評だったから。対面もオンラインも絡めずに純粋な通信講座(インターネット、FAX、郵送)はどうかと。別のカルチャースクールや通信講座専門事業者においてはすでに行われているものだが担当者の頭の中にはまったく無かったようだ。それでもとりあえず詳細の要件を詰めてみますと。有り難し。期待せず待とう。

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