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\\vol.14〜パプリカから〜//

筒井康隆原作、今敏監督のSFアニメーション映画2006年公開"パプリカ"からの深掘り。

ストーリー概要はというと、精神医療総合研究所に勤める研究員千葉敦子が、天才科学者の時田が発明した、他人と夢を共有できる"DCミニ"というデバイスを活用して夢の世界に入りこみ、別人格の"パプリカ"と名乗って夢の中からその人の病気の原因を解決していくといった極秘セラピーの仕事を進めいくなかで、

この"DCミニ"が何者かによって突如として盗まれてしまうことが発端となり、次々に奇怪なトラブルが起こりはじめ、そこにはおぞましい罠もあり、狂ったイメージに汚染された夢の中でなんとかしていくといった流れでして、、、、うーん、これだけだと結構重苦しい感じに聞こえるかもしれませんが、超スーパーエンターテイメントSFアニメーション映画でーすっ!

ぶっちゃけ私は1回目観た時は、頭が仕事モードのままだったので奇想天外なこのアニメーションを一所懸命理解しようとしてしまっていたが為に、結果眠くなるといった状態だったのですが、全く違ったところから観たら2回目以降は存分に五感で感じ、ストーリーも背景も映像も音楽も素晴らしい。

監督の今敏さんは実は2010年にご病気により46歳という若さで他界されており、この作品が最後の作品となった訳ですが、原作の筒井康隆さんの作品に非常に敬意をお持ちでして是非映画化させて欲しいと依頼。そして筒井さんご自身もこの"パプリカ"がご自分のエンタメ作品の集大成だと仰っているだけあって思い入れも強く、そんなお2人の出会いがきっかけで、筒井さんの書かれた奇想天外な文章から今監督が限界までイメージを膨らまして映像化を果たした訳ですが、

何というか、素晴らしく"破壊"をしているのです。この破壊って、例えばイーロンマスクが他社製の車を分解してひとつひとつを改めて組み立てたりといった様な仕事をしたのと似ているような、つまり細かいパーツとその組合せまで理解する事に関しては恐らく当たり前にやっていて、そこに加えて見える部品だけでなく、ひとつの作品が完成するまでに必要な、物理的に見えていない部分のものだったりも含めて全体像を出した上で、

映像としての脚本に創りあげる破壊からの創造と、そして尺が90分という割とコンパクトにまとめあげられているにも関わらず、非常に濃厚で、見る角度が同じでもそうでなくても都度違う感覚を得られるといった感じで、更にこの角度というのも物理的な角度さえも何故か感じられる3次元まではいかないにしても非常に奥行きのある作風なのです。

また、SFアニメーション映画とカテゴライズされていますが、別にSFだってところから入らなくてもオッケーで見方が自由!というところがアートっぽくもあり、実際に今監督も公開当時のインタビューで「好きにみろ!」なんて仰っていて、受け取り側の感性に寄り添ったスタイルは、考え抜いて出した自分の答えがありつつも、あくまでもそれは自分の答えであってそこには執着しないといった点は監督としては本当に凄いなと感じます。

"パプリカ"素晴らしい作品です。

今は亡き今監督はじめ、この作品に関わった全ての方に心から敬意を表します。ありがとうございました🧚🏻‍♀️🌟💕🙏🍀

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