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超極上の「KPIマネジメント」を学べる本があります。

安易に「KPI」って言葉を乱用してませんか?

その「KPI」って言葉の定義、そろってますか?

「KPI」って言葉は、市民権を獲得した、と思います。その結果、なんとなくKPI。なんちゃってKPIが、はびこっている、とも思います。

KPI=大事な指標
KPI=ノルマ
KPI=行動目標

こんな風に、曖昧かつ大雑把に捉えられ、KPI、ケーピーアイ、けーぴーあいと叫ばれてます。優秀な方、有名な企業でも、KPIに対する認識はこんなもんだったりします。

これだと意味がないすよね。ただの言葉の置き換えですから。大事な指標。ノルマ。行動目標。と言えばいい。そして、これだとKPIは、本来それがもっている相当な威力を発揮することも、できないのです。

身近すぎていまさらなんだけど、あれそういえばちゃんと学んだことないよね。それがKPIです。実は奥が深くて、ちゃんと学んだらめっちゃ役にたつ。それがKPIなんです。

ネット記事なり書籍なり、KPIに関する情報はあふれています。でも、混合玉石です。そしてほとんどが「石」です。そんな中、みつけましたよ、「玉」。

KPIを学ぶなら、この2冊だけでいいです。

特に、おススメなのは、「人組織を効果的に動かす KPIマネジメント」の方。

マネージャー以上は必須課題図書にしたらいい、と思うほどよかった。だってKPIの定義や考え方がずれると、議論が成立せず生産性は悪化しますからね。

事業責任者、事業開発、営業企画、マーケ、パートナーサクセス、営業マネージャー、CRO、COOなどなど、、事業グロースに携わっている人はぜひ。

「KPIマネジメント」はほんとに、奥が深い。。。

ってか、事業グロースそのものでした。





<以下は備忘録メモ>KPIとはいったい何なのかのまとめ

KPIはわかりやすくいうと、事業目標の達成に向けて、ムダなく行動するために集中する点を明確にし、その進捗を測るためのもの。

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

すばらしいKPIの定義。

KPIは事業目標そのものではなく、事業目標を達成するために集中する点であること。測定可能であること。目標達成のための近道であること。などなどKPIの本質がつめこまれた定義。

KPIマネジメントとは、トレードオフの考え方そのものである

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

全ての良さそうな施策に取り組むのはムダ。何に絞るべきか見極め、何をやらないかを決める。KPIが複数あるってのは、矛盾している。勝ち所に戦力を集中する。選択と集中が基本。

KPIマネジメントは動的な運用が求められる

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

KPIを設定しモニタリングをして終わりではない。そのKPIが本当に事業目標達成に貢献しているかを確認、必要あらば見直す。KPIを達成するアクションの練度を高めていく。KPIは動的。KPIは設定するのも難しいが、運用することもまた難しい。

KPIはKGIとKRIとKAIの3つのレベルに分かれる

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

KGIとは、重要目標達成指標。KGIとは売上・利益など、事業活動の最終目標、大目的のこと。多くの人がKGIとKPIをごっちゃにして、最終目標をKPIと言い換えているだけのケースは多々ある。なんの意味もない。それだとゴールが示されているだけで、ゴールに至る過程はなんでもよいということになる。「重要な活動に集中させる」というKPIの重要な意義にそぐわない。

KRIとは、重要結果指標。KSFと概念は近い。KGIに最も効果的につながっていく「あるべき状態」がどの程度成立しているかを把握するための中間指標。例えば、リピート購入率、顧客のNPS、クレーム発生件数、顧客紹介数、顧客満足度。事業成功に重要な因果関係をもつ要素のこと。

事業目的の達成に向け、最も効率よく進めるために作るべき心理・行動・状況のこと。ここを押さえれば、戦略として企図していたことが動き出すと想定されるツボにあたる部分。

例えば、KRIは活動営業数という成果を設定するのではなく、「成功体験を積んで活動意欲が醸成された営業数」といった具合に、成果を生み出す前の心理や状況を捉えた指標であるべき。

活動営業数を増やすために経済的なインセンティブ施策だけを投入した結果、粗い営業により顧客からネガティブな反応を受け続け、嫌になって営業をストップする。

経済的なインセンティブをうってもうっても、活動する営業数が増えない。もしくはインセンティブを中止した瞬間に活動する営業がぐっと減ってしまうといったことが起こる。

一方で、「成功体験を積んで活動意欲が醸成された営業数」を目指すことで、継続的かつ自発的な案内をする営業数が増えるだけでなく、商談の質も向上していくといった波及的な効果も生む。

このような一石二鳥、三鳥、四鳥といった成果を得るため、ボトルネックであり、さまざまな波及効果の起点となる指標をいかに捉えるかが大切。だから、KRIはKGIに近いところではなく、構造的に深い部分で設定されるもの。

KRIは業績とアクションをつなぐための最も重要な指標。KGIにどのようなメカニズムでつながっていくか、この「ストーリー」がKPIマネジメントの生命性にあたる

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

その会社ならではの、勝ち筋がある。現地現物で発見されるインサイト、数多くの試行錯誤から紡ぎだされる、納得感のあるストーリー。ここが描ければ科学され再現性が生まれる。事業は拡大再生産のフェーズにうつる。

KRIはKGIにどうつながるかではなく、そのKRIにつながるコントロール可能なアクションが想定できることも重要。それがKAIだ。

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

KRIは意図的に伸ばせるものでないといけない。そうでないとビジネスではない、ただ祈り待つだけになってしまう。コントロール可能なアクションがあるかどうかは本当に大切。コントロール下にないことで思い悩んでも仕方がない。

「ニーバーの祈り」を思い出す。

神よ
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

まさにだ。

KAIはKRIを高めていくための具体的なアクション。どれだけ組織/個人が実施したかを把握するための指標

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

KPIがただの行動目標として誤認される理由はここにある。KGIとKRIのつながりストーリーなく、訪問回数から成約までのファネル分析だけに基づき顧客への訪問回数が行動目標=ノルマ=KPIとして設定されたりする。行動目標であることは正しいが、KRIの設定とKRIを起点にした前後のストーリーが肝。

KRIに最も生産性高く貢献するKAIは何か。試行錯誤はここにある。色々なKAI候補をアクションしてみて検証し、真のKAIを特定していく。KAIを特定後も、そのKAIをいかに効率的に実行するか、洗練していく作業が待っている。これらが成されるとオペレーションエクセレントな事業となる。

事業開発とは、KRIとKAIのストーリーを描き(1→10)、拡大再生産時にKAI実行の平準化と高度化、組織体制と評価体制(KAIやKRIを評価体系に組み込む)を創る(10→100)ことと言うこともできる。

トップダウン型でKGIを因数分解し構造化してKRIを特定するやり方と、KRIから考え、それがKGIやKAIにどう波及していくかを考えるボトムアップ型のやり方がある

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

まずはトップダウン型で事業を整理することは大切。ただし、トップダウン型の決定的な弱さは、そこに人間的な意識や感情が入りにくい。一方、ボトムアップ型は対象となる事業活動にかかわるターゲットの意識や状況から議論する。「なぜ理想の状態になってくれないのか?」「どうしたら理想の状態になるのか?」を複雑な感情や行動原理を洞察し、突き詰めることから、キーとなる攻略点が見えてくる。

ちなみにだが、なぜ理想の状態になってくれないのか?という意識や状況を想像し捉える上で、心理学、行動経済学、行動科学といった分野の知見を習得しておくことは多いに意味がある。

おススメの書籍は2つ。

トップダウン型はただの数値マネジメントに陥る。ただの数値マネジメントから事業を伸ばすことは容易ではない。ボトムアップ型にこそ事業を伸ばす攻略点の発見がある。その会社・事業ならではの勝ち筋が見えてくる。

KPIとはKGI,KRI,KAIを設定し、3つの指標の間に筋のいいストーリーを作ること。

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

そう、KPIは事業グロースを考えるということそのもの。KGIにつながるキーファクターであるKRIを達成するために、KRIを最大化するKAI=行動目標に集中すること。KPIとは大事な指標でも、ノルマでも、行動目標でもない。

会社事業が置かれている状況は、似ているようでもそれぞれ固有である。教科書的な、通り一遍の発想だけでは、真に実効性のあるKPIは生まれない

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

よく、KPI例というものがある。確かに使えるかもしれない。ただ同じような事業、事業モデルに見えても、違いがある。その微妙な違いを捉え、その事業ならではのKGIに向かうための最短最速のKRI、KAIを設定できるかどうかに、フェーズによってきっちり見直しをかけられるかどうかに、事業開発や事業責任者の腕の見せ所がある。このPDCAの過程に、再現性はある。

このKPIは機能しないと見るや、期中でも躊躇なく変更を施すべきである。「目標の妥当性=本当にKGIに貢献しているのか」に関する議論よりも、一度それを決めてしまうと「目標を達成できているかどうか」にしか目が向かなくなってしまうものである

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

長年同じ指標を使っていると、変更することに対して抵抗感が出るもの。KAIを達成することは手段であるべきだが、達成すること自体が目的化する。常に目的思考で、一度決めたKPIが上手く機能しないなら次を試すべき。上手くいっていたものも環境・フェーズが変化することで機能しなくなることがある。常に柔軟に見直しができるか自己批判ができるかが大切である。

KPIマネジメントの失敗に共通することは、何をやったらどうなるか、という「想像力の欠如」にある。

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

ある施策を行うと、ある目的が達成される、1点と1点の関係でしか考えないクセがついているとまずい。KPIは人や組織に与える影響力が強いだけに、KPIという1点から、どのような波及効果が生まれるのか、それが良いものなのか、悪いことなのか、そのKPIがあることで、対象者やその周辺ステークホルダーがどう思い、どう行動するか、深く広く考えを馳せられるかが成否をわかつポイントとなる。

限られた情報の中で、発展的に仮説を考えていくということ。これは立派な論理的思考である。これが組織が真っ当なプロセスとして認めず、「それは、単にお前の勝手な思い込みだろう」「それが正しいと言えるエビデンスはあるのか」などとしか言えない企業に、勝てる戦略もないし、イノベーションもないし、明日もない。

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

そうだそうだ。よくぞ言ってくださいました。



KPIマネジメントには、4つくらい大きな力が必要だと思う。

・推論力
なにをするとどうなるかを深く広く柔軟に想像する力
・仮説構築力
推論したもの、インサイトから筋のよい仮説ストーリーを構築する力
・検証力
調査設計力・現場への質問力
・実行力
やりきり力、調整力、交渉力、目的思考にそった柔軟性、機動力、身の軽さ


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