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寒くなって星が冴え

子どもの頃から星が好きで、プラネタリウムにずいぶん通ったものだが、実際の夜空の星はあまり眺めてこなかった。最近になってそのことに気づいて、意識して夜に星を見に行くようになった。夜に突っ立っていたりして不審者に間違われないか心配だが、幸いなことに近所の会社の駐車場が、夜になると1台も車が停まっておらずに、広くて暗いスペースを確保することができる。晴れた夜には落ち着いて夜空を見上げる。プラネタリウム通いのおかげで、星座には詳しい。
最近は星空アプリもいろいろあって、スマートフォンをかざせば、今見ている夜空の星の名前や惑星の位置などすぐわかる。星空アプリは「night sky」「sky guide」「star walk2」と3種類入れているが、実際の夜空並みにしか星を表示していないアプリや、賑々しく星を表示しているアプリなど、どのアプリにも特徴があって甲乙つけ難いので、3種類とも愛用している。

夜空の星を眺めているうちに天体望遠鏡が欲しくなった。惑星や月を拡大して眺めたらどんなに楽しいだろうと思った。いろいろ検索して天体望遠鏡を物色した。初心者向けのあまり高価でなく、しかし見え味のいいものを探した。スコープテックの「ラプトル60」という天体望遠鏡が条件に1番合致すると考えをまとめて、冬の手当で購入した。
あまり高価でないためファインダーも微動調整もついていないが、わたしのような初心者にはぴったりの天体望遠鏡だった。夕空にひときわ輝く宵の明星・金星を見る。天体望遠鏡で見ると月のように欠けていた。木星を見る。35倍と88倍の2個の接眼レンズがついていて、まずは35倍の低倍率で視野に木星をおさめる。木星はコロッとした点に見える。左右にガリレオ衛星と呼ばれる4個の衛星も見える。視野の中央に置いてから88倍の接眼レンズに交換してピントを調節する。さっきより大きくなった木星表面の縞模様が2本わかる。土星を見る。環っかが美しい。
もっと倍率を上げたかった。116倍の接眼レンズがわたしの天体望遠鏡の限界らしくて、その限界の接眼レンズを注文した。木星の縞模様も環っかのある土星も、より大きく見えて嬉しかった。
「クリップアダプタ」というパーツを注文した。洗濯バサミのような形状でスマートフォンをはさんで天体望遠鏡の接眼部に取り付けられるようになっている。これでスマートフォンで簡単な天体写真が写せるらしい。試してみると拡大された月を美しく写すことができた。

天体望遠鏡だと空の天頂高くを見るのは無理だ。そんなときは双眼鏡を使う。わたしは8倍の双眼鏡を、天体望遠鏡とあわせて星空を見るのに愛用している。天空高くにはプレアデス星団が見える。双眼鏡でのぞくと上に4個、下に2個星が並んで見える。6個の星のほかにもかすんだもやのように見える。日本では「すばる」と言われて親しまれてきた星団だ。にぶく光るアルデバランの横にはV字型のヒアデス星団がきらめく。オリオン座の三つ星の下にはオリオン大星雲がもやのように見える。
双眼鏡でのぞくと月や星空が裸眼で見るよりも美しくなる。星が増えるんです。きらきらして本当にきれいだ。

太平洋側に住んでいるので、春から夏には曇りが多くて天体観測はあまりできない。秋も深まり寒くなったこの頃、ジャンパーをはおって星を見に行こう。寒くなって星が冴えわたる夜、身体が冷えきる前に。

#天体観測
#天体望遠鏡
#双眼鏡

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