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2024読書ノート(その1)

年末から読み始めた、桐野夏生の「日没」という小説を読み終えました。
自分がコントロールできない環境に置かれた人間の姿が描かれた作品でした。
よく自分がコントロールできないことに拘泥するのはよくないと口にしていたのですが、この小説のような状況に置かれたとしたら果たしてそのようなことを言えるのか自信はありません。
どんな時も希望を失ってはいけないとか言いますが、この小説のような結末が待ち受けているのだとすれば、希望を持たないことも一つの選択肢かもしれません。

また、国家による統制というのも、この小説のテーマの一つのように感じました。
彼の国のように、国家もしくは国家権力を体現している者の意にそぐわない者は処分されることは、自分が住んでいるこの国ではないだろうと思ってはみるものの、知らず知らずのうちに自由という行動範囲が狭められているのかもしれません。
彼の国と違って、自分が住んでいるこの国では少なくとも国家権力を有している人たちを国民が選ぶことができるのですから、諦めずに各自が責任を持って選ぶことに参加しなければなりません。

そんな感じの重たい空気を感じながらも、楽しく読むことができた小説でした。
そして、実は桐野夏生という作家の初初体験読書となりました。また、この作家の小説を読んでみたいと思います。

なるべくネタバレにならないように気をつけながら、自分用の記録も兼ねて読書ノートをnoteに書いていきたいと思います。

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