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SLUSHの歩き方 〜SLUSH2018 in ヘルシンキ〜

(こちらは、Mediumで2018年12月27日に投稿された記事のnote転載です)

株式会社クロスデジタル 代表取締役・株式会社ブロックチェーンハブCommunity Manager & Industry Analyst の増田 剛です。

SLUSHというイベントをご存知でしょうか。

フィンランド発の「世界最大級の国際起業家・スタートアップ・投資家イベント」(Wikipediaより)で、世界130ヶ国から2万人以上が参加。
フィンランド・ヘルシンキ以外では、シンガポール・上海・東京で毎年開催されています。

これまでSLUSHには東京開催のものを含めて未参加でしたが、今回SLUSH2018(2018年12月4/5日@ヘルシンキ)に参加しました。
開催日からやや日が空いてしまいましたが、来年の参加を検討される方の参考になればと、「歩き方」的なものを整理してみました。
なお、以下の情報はSLUSH2018でのものであり、SLUSH2019では変更となる可能性が大いにありますのでご留意ください。

1.会期前

SLUSHのポータルサイト(Slush Platform)がオープンするので、参加者や各種公式サブイベント(会場外で行われるもの)のの情報に事前にアクセスできます。

ここで良質な”Matchmaking”を確保できるかどうか、でSLUSH体験の成否が7~8割方決まると言っても過言ではないように感じます。
このあたりの重要性は、参加前にSLUSH Asia/Tokyoの運営に携わる友人が口を酸っぱくして強調してくれました。

なお、ここで言う”Matchmaking”とは、その名の通り、参加者同士を引き合わせる(matchmake)わけです。
参加者はそれぞれ、自分のビジネスプロフィールや関心のある領域や、カジュアルなミーティングに応じるか(さもなくばビジネスミーティングのみか)などを登録し、それを見ながら、会いたい人に面談希望を送ります。
この段階で、参加者、特に一定程度の知名度や人気がある人、の時間枠は粗方埋まってしまうようです。

私がMatchmakingの際に重視したテーマは、ブロックチェーンのビジネス応用(技術そのものというよりも)、デジタライゼーション、北欧東欧アントレプレナーシップ事情、など。あとは純粋な趣味的なもの。。

また、各種公式サブイベントも豊富に用意されていますので、主に夕~夜のイベントにも事欠きません。午前〇時までやっているものも多いので、ほどほどに。

ちなみに、主にSLUSH Tokyoの方が中心となって、SLUSHに日本から行く人向けのグループをSNS(Facebook等)上で作成されたので、そういうものに参加しておくと、現地や国内でも横の広がりがあるかもしれません。

2.会期中

会場に着くと、先ず大規模なクローク。
早くしないとここで長蛇の列に巻き込まれます。
荷物と引き換えに受け取るタグを失くさないようにしましょう。
失くして大変なことになっている人もちらほら見られました。

会場の見取り図はこんな感じ。

カンファレンス・プレゼンが行われるステージが6つ(大:Founder Stage, Pink Stage, Evergreen Stage、小:Founder Studio, Pink Studio, Showcase Studio)。あとは企業ブースが大量にあるので、見て廻るものには困りません。

今年はの出展企業は例えば、Google, Facebook, Johnson & Johnson, GE, Salesforce, Finnair, Airbus, PwC, Samsung, Seamens, Nokia など。これらに限らず、相当数の大企業が出展しているので、起業家イベントとしてはバランスは今後調整されていくのでしょうか。

当日の参加者サポートのため、運営からアプリが公開されました。
スマホアプリではなく、なぜかブラウザアプリ・・・。

これがなかなか、正直なところ、使いづらく、情報によっては、先にご紹介したSlush Platformと行ったり来たりする必要があったりと、次年度以降の改善に期待したいところです。

そして、肝心のMatchmakingですが、事前に待ち合わせ場所が設定されるので、時間になったらそこで落ち合うことになります。
待ち合わせ場所は、主にMeeting AreaとMeeting Point。

Meeting Areaはミーティング専用に仕切られたブースが立ち並ぶ地区があり、事前に指定されたNo.のブースに向かいます。

Meeting Pointはスポットライトが当たっているところにぞろぞろ集まるかたち。お互い、それっぽい相手に、「〇〇さん?自分△△なんだけど。」のように声をかけるアナログ仕様。むむ。

で、Matchimakingの感想ですが、結論、実際に会えた分については悪くないです。もともと自分の興味関心にもとづいてオファーを出して、オファーを受けているので。尤も、すぐにビジネスに結び付くということはそうそうないわけですが、様々なインサイトはお互いに得られたと思います。幸い、フィンランドやエストニアのビジネスパーソンと多数繋がることができたので、今後の展開に向けた橋頭堡が築けたのかなと思います。これ大事。

「実際に会えた分については」と書いたのは、「会えなかった」ケースが少なくなかったからです。“No-Show”、つまり約束したのになんの連絡もなく待ち合わせ場所に現れないということが、結構ありました。

これはかなり痛い。
待ちぼうけにより空費する時間コスト、それが1件や2件ではなかったことは非常に残念。前後の移動時間や他の予定とのやりくり等、犠牲にしたものは大きい。

今回参加した他の参加者に聞いてみても、同様の事象があったとのこと。
感覚として、事前に約束した面談のうち、20%くらいはNo-Showを食らった気がします。
運営側には、この点、是非にも改善してもらいたいですね。
例えば、No-Showをやらかすと、次の約束を入れられない、打合せブースを使えない、等のペナルティを課す、とか。

参加者側でできることがあるとすれば、約束はできるだけ早めに取り付けておいて、事前にある程度やりとりをして、心情的にNo-Showさせないようにするとか、くらいでしょうか。
もちろん、自分のプロフィールをアピーリングにするというのは大前提と思います。

因みに、今回の参加は、私がお手伝いをしている在シリコンバレーの日系スタートアップ(Yume Cloud Inc.)がJ-Startupの一画として出展することがきっかけでした。JETROの皆さんからの協力なサポートに深謝。

SLUSHとしては、SLUSH Tokyoが本国フィンランド以外では初の開催(のはず)だったこともあり、日本を結構向いてくれている気がします。
今回、前回に引き続き福岡市がイベントを一つホストしていました。

おまけとして加えると、SLUSHで驚いたのは、サウナ村が設置されていたことです。
確かにフィンランドはサウナ文化がありますが、まさかSLUSHのようなビジネスイベントにまで付随してくるとは。サウナ関連でビジネスを模索したい方は体験として面白いかもしれませんね。

次回参加するかどうかは、テーマ次第ではありますが、他のイベントと比べると、特徴のあるイベントと感じました。

運営面でまだまだ改善の余地はありますが、企画として成長段階でもあり、またボランティア(学生含め)が相当数関わっているイベントであることも斟酌すると、伸びしろ、ということなのかなとも思います。