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ごん色カメラのこと


フィルムカメラを修理・調整して表皮を貼り替えて販売しています。
どんな仕事をしているか、お話します。

OLYMPUS Pen EE-2の解体・修理
  1. 私が扱っているカメラは、昭和40年代に発売されたカメラが主です。機械式のカメラは、ネジ留めしてあるので、比較的簡単にバラすことができます。注意しないといけないのは、修理後に元の状態に戻すことです。それができない方は解体されないほうがいいと思います。

  2. 日本の気候は湿気が多いことと、一般の人も楽しめるフィルムカメラですが、まだ高価だったため、所有者は大切に仕舞っていた方が多く、カビが発生しています。カビだけでなく、虫がいたことも。それらを取り除くことから修理がはじまります。遮光用のモルトもボロボロになっていますので、すべて取り除く必要があります。粉がカメラの内部まで入り込み、ファインダーやレンズに付いてしまいます。モルトはカメラ屋さんで販売しています。

  3. 油汚れは無水アルコールで、カビはオキシドールを使います。ときには超音波洗浄器も使うことがあります。昔の油は固着していますので、新しく注油して動きを滑らかにします。修理に使うものは、100円ショップやホームセンターで手に入るものを使っています。ボディーの表面も錆を取ったり磨いたりしています。塗装部分も剥げているものは塗り直しています。

  4. 表皮ですが、表皮の下にネジ留めしてある機種もあるので剥がします。修理後に表皮を戻そうにもそのまま使えないものもあります。表皮が欠けているもの、縮んでいるもの、所有者の名前や会社名が記載してあるものなどです。以前、表皮を替えるのは良くないと指摘されたこともありますが、仕方がないのです。また、デザインフェスタやクリエイターズマーケットに出店する際、修理したカメラだけでは出展できないので、表皮を貼り替えている事情もあります。 

  5. フリマサイトなどで中古カメラが販売されていますが、50年以上経ったカメラですから、手を入れないと使えないものと思ってください。最近まで使っていたもの、撮影見本が添付されていると安心ですね。

  6. カメラを解体して、修理・調整して、組み上げて完成ですが、実際に写真がきれいに撮れるか心配なときは、撮影しています。noteのごん色カメラのページはほとんど撮影見本です。よく「はじめてフィルムカメラを撮ってみたいけど、種類がたくさんあるのでわからない」と相談を受けることもありますが、答えは『どんな写真が撮りたいか』です。フィルムカメラはメーカー・機種によって操作が簡単なものから、シャッタースピード・絞り・ピントを自分で合わせるマニュアルカメラまで様々です。デジカメのように撮影後に調整できませんから。シャッターを切ったその一瞬がすべてです。写真の仕上がりもメーカー・機種・使用するフィルムで違ってきます。

  7. フィルムのこと……フィルムカメラはフィルムによっても仕上がりが違います。ネガフィルム•ポジフィルム•モノクロフィルムがあります。気をつけないといけないのは、海外のメーカーもので映画用のフィルムが入っているものがあり、一般の現像屋さんでは現像できません。機械を壊してしまう可能性があるからです。恐ろしいことに海外で、FUJIやKODAKのパッケージを真似たものにそのフィルムが入っているものがあるそうです。ごん色カメラではISO感度100〜400までをおすすめしています。ヨドバシドットコムで購入することが多いのですが、富士フイルム FUJICOLOR ISO:100 135-36枚撮が1本1,540円、コダック Kodak [ColorPlus フィルム(ISO200) ISO:135-36 36枚撮りが1本1,780円で2/23現在販売されています。もちろん、フィルムカメラの現像を扱っているお店では手に入ります。安いお店が、あったら教えていただきたいです。

  8. 現像のこと……ネットで「フィルム現像」と検索するといっぱいヒットします。お近くのお店を探すのもよし、検索すると郵送で受付してくだるところもあります。ごん色カメラではXでお付き合いのある【@tetsuya4281 さん】にお願いしています。かなりお安いです✨

OLYMPUS Pen EE-3の修理貼り替えまで 


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