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金沢文庫運慶展、仏像の美しさ

神奈川県立金沢文庫で運慶展を見てきた。
運慶の作品を始め、運慶の工房で作られた作品が展示されていた。
運慶は東大寺の金剛力士像をはじめ、様々な名品を残している。
その作風は力強く、迫力に満ちている。
仏像の強靭な肉体はリアリティーに溢れているが、どこか現実離れしている、そこに人とは違う仏様の印象が表現されていた。

仏像の表情はとても多様で見ていて面白かった。
昔の人は今の人と比べ、苦しいことや悲しいことが多かったはずだ、嫌なことでも我慢しなければいけないこともあっただろう、だからこそ、今の時代より感情豊かだったのではないだろうかと、仏像の表情を見てそんな想像をした。

運慶の作品は毘沙門天や明王像など力強い作風を最大限発揮する仏像が多かった、自分の得意な分野を理解していたからこそ、素晴らしい作品をいくつも作り上げることができたのだ。

運慶作以外の仏像も多数展示されていた、それぞれが仏様の特徴を捉え見事に表現していた、阿弥陀如来像などは手の表現がとても美しく、流れるような動作を見事に捉えて、形にしていた。その美しさはやはり人とではない神聖な雰囲気を纏っていた。

息遣いを感じるほどリアルの仏像達、800年前の薄暗いお寺に置かれていたとしたら、それを本物の仏だときっと感じただろう、昔の人たちが手を合わせ祈る気持ちがよくわかる。

そうやって人の心をとらえてきたからこそ今なお大切にされ続けている。
私たち日本人の文化は本当に素晴らしいと再認識する。
時代が変わり文化も変わっていくが、私たちの根本である、文化は守り伝えていくことは、私たちの価値観を豊かにするはずだ。

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