「民族の発見 江戸・都市の中の異界」

「民族の発見 江戸・都市の中の異界」

※閲覧注意
写真の後半に衝撃的なモノクロがあります。
心臓が弱い方は見ないでください。

落語や怪談にて頻繁に悪事が行われたり怪異が起こる地名、というものがあります。それを地図上にプロットしていくと、江戸城を中心とした聖域とその周辺の日常空間、その周囲に同心円上に広がっているのです。そして多摩川隅田川を外界との境とした江戸という都市の構造が浮き彫りになっていきます。

都市における日常と非日常領域の境界を探る、そこから歴代王権(秀吉、家康、明治天皇)の祭祀と祝祭空間を軸とした都市設計のあれこれが語られていきます。両国、上野、浅草のその祝祭空間としての立ち位置の違いや明治寺宮がその後の盛場の勢力図にどのように影響を与えてきたかなど興味深い話が満載なのですが、

それらが吹き飛んでしまうくらい、
「見世物小屋」に関する記述と写真が強烈すぎました(汗)様々な技術職人たちによるトリックや造形物の数々は歌舞伎の源流とも言われ、人魚のミイラなどの出所が明らかになったり、蛇や鎖を鼻から口へ通したりニワトリを素手で食いちぎる美女がいてみたり(衝撃写真はそれです)、、、

でも数ある見世物記述の中で僕が一番衝撃を受けたのは、
【トハ】と言われる、一種のサクラで、客のふりをして頃合いみはからってふらりと小屋に入っていく。やることはそれだけ。とあるトハの名人は、うだつの上がらない老人の格好をしているのですが、この人が小屋に入っていくとその呼吸やテンポなのか 
、興味がなかった通行人たちもふらふらと釣られてコヤに入ってたちまち満員大入になってしまうという。。
正直どんな怪談より怖いと思いました(笑)



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