見出し画像

初めて意識したこと

人生で初めて大腸カメラをしてきた。何が辛いって、カメラで大腸の壁をしっかり見えるようにするための食事制限(透明な飲み物かゼリーのみ)と下剤で極限まで出し切ること。

そして、痛みによる体の負担を軽減するために入れられた麻酔が、検査が終わった後もかなり残ってしまい、しばらく目の焦点が合わず、ふらふらしたことである。

効果はそれぞれ

人生で静脈から入れる麻酔を使ったのは、たぶん、3度目。最初はアテローマ(粉瘤)の除去手術、2度目は息子の帝王切開、そして今回が3度目。胃カメラの時はなかった気がする。

そうでなくても昨日の準備のための下剤と、娘の邪魔(寝言とか寝相とか)によりあまり眠れてないうえ、予約時間が朝8時で、車で30分ほど離れている病院にその45分前に入る必要があり早起きだった。

そんな状態だったので、生理食塩水の点滴だけのときも若干うつらうつらだったのだが、実際に麻酔(鎮痛剤)を入れられてカメラが入ってからは、あまり記憶がない。

いろいろ説明もされてたかもしれないし、目の前に画面が映ってるのは視界に入るのだが、医者も看護師さんの説明も全く耳に入ってこず、答えていたのかどうかも覚えていない。

何がって、それが終わってから家に帰ったら、そのまま3時間以上眠ってしまったのだ。そして目が覚めてからも視界がぼやけている。動けるけど、動きたくない状況がしばらく続いた。

油断大敵

まぁカナダあるあるなのだが、この大腸カメラも説明が下剤と食事制限のことだけで、「送迎必須」とはあったものの、「1日は絶対安静」という説明はなく、普通に午後は動けると思っていた私。

それが実際に受けに行ったときにやっと「今日は重大な決断をしちゃだめ。お酒もだめ。運転もしちゃだめよ」と言われ、気が付いた。息子をお迎えに行けないという事実。

急遽、パートナーに午後も休みを取ってもらい(午前中はもともと申請してもらってた)、今日一日、子供のお世話をお願いし、息子の送迎や娘の相手をしてもらった。

こういうことはもっと早く言ってくれよー。というか質問する機会すらなかったな。北米はやっぱり積極的に聞きに行かないとだめなのだろうと改めて思い知った。

薄い意識で考えていたこと

そんな麻酔の影響下で考えていたこと、それは「あぁ、このまま死んだら大変だな」ということだった。

今回の大腸カメラは、父の姉にあたる私の叔母が直腸がんからの肺の転移で亡くなっていることに起因している。私は今のところ症状は何もないのだが、叔母は確か60代前半で亡くなっている。

看護師さんに「大腸カメラを受ける理由」を聞かれたときに、これを話しながら、「こういう家族歴や私の手術歴を子供やパートナーに教えておかないといけないよな」とぼんやり考えていた。

そして、麻酔の影響が抜けてきて改めてカメラが終わった後に「万が一、今日体調が悪くなったら、この紙を持ってERに行ってね」という紙をもう一度目を通してみた。

「あぁ、私、今の状態で意識がなくなったらヤバイ」

家の中が汚いとか、そういうことも懸念材料ではあるものの、それ以上に、私の身の回りの情報を残しておかないと、残された人間は困るだろうな、という事実を改めて考えてみた。

病気やケガに関して言えば、子供とパートナーは同じお医者さんがかかりつけなので、ある程度の情報はお医者さんが提供することは可能かもしれないが、個人情報だしな。

パソコンや携帯、銀行、クレジットカード、アプリなどのパスワードとか、大っぴらにするものではないが、それがないともし今死んじゃっても、日本にいる家族に誰が知らせてくれるんだろうか?

そんなことを考えていたら、やっぱり「終活ノート」を作っておいたほうがいいな、と結論が出た。ある程度のテンプレートはデジタルでもあるようなので、それを活用しようと思っている。

英語ではTerminal Noteともいうようだ。パートナーとも話し合っておく必要があるな。

5年後

今回小さなポリープが見つかったのだが、問題にはならないと思っている。今後、大腸関係の身体異常が出てこなければ、次の大腸カメラは5年後で大丈夫だと言われた。

ただ、父の兄にあたる叔父さんをやはり胃がんで亡くしていること、アジア、特に日本人の胃がん罹患者が多いことから、看護師さんに「胃カメラもしといたほうがいいわよ」と言われた。

同じ話をしたのに、かかりつけのお医者さんには言われたなかったが、一応聞いては見ようと思う。あんまりやりたくもないけど。

とにかく、今回やって思ったのは、5年後、息子君は11歳、娘ちゃんは8歳、学校にも行ってるし、間違いなく今回が一番パートナーは大変だった、ということである。

万が一近いうちに胃カメラも、って話になったら、次はシッターさんをお願いしてもいいかもしれない。そんな初めての大腸カメラ経験だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?