福島聴空

ふくしま・ちょうくう 高野山大卒。元高野山米国別院駐在開教師。高野山真言宗現福寺(小松…

福島聴空

ふくしま・ちょうくう 高野山大卒。元高野山米国別院駐在開教師。高野山真言宗現福寺(小松島市)住職。令和元年から「仏教をうたう」と題した音楽活動を展開。1962年生まれ。大阪市出身。小松島市大林町在住。

マガジン

  • 般若心経とは何じゃろか

    般若心経をほぼ完訳しました。

  • トゥバ共和国への旅

    中央アジアのトゥバ共和国への旅。喉歌ホーメイの修行、荒廃したチベット仏教寺院の支援が目的でした。抱腹絶倒、仰天の連続、とまでは言いませんが、日本ではなかなか体験できない体験の連続でした。

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始めちゃいましょうか

さても、さても 始めちゃいますよ。チョークー和尚の人生いろいろβ版。仏教的に世の中を読み解いてみよう、という大それた試みです。 はるか昔、心の時代などと言われたことがあったけれど、残念ながら、そんなものは来やしなかった。代わりにやってきたのが、お金の時代。まあ、言うまでもなく、お金はずっと力をもってきたわけだけど、今の万能感たるや。お金持ちの人はどんどんお金持ちになり、そうでない人はやっぱりそうではなく、いわゆる分断というのが、世界的にどんどん広がっているよね。 拙僧A

    • <タンボ・タンボ・タンボ>  羊じゃないよ、カエルだよ

      田んぼができると、あっちゅう間ですわ どこから出てくるのか分からないのであるが、たちまちです。そらまあ大挙して現れ、毎夜ゲロゲロの大合唱となるのです。奴ら、一晩中あきないこっちゃ。調べてみると、鳴くのはオスだけで、求愛の叫びらしい。なるほど必死だわね。カエルの寿命は、と調べてみると、結構生きますねえ。5年ほどだといいますよ。 奴らと言うぐらいだから、うるさいねえ、という話になると想像した人もいるでしょうが、そうじゃありません。ボクはこの季節が大好きなのです。以前組んでいた

      • 同時期に連載を始めた鴻野くんの紹介です。「その男、バーテンダーなり」

        サヴォイを超えろ 徳島新聞デジタル版の鴻野くんの連載は、こんな書き出しです。徳島のカクテルブックを作っちゃおうよ、という意欲的な試みです。サヴォイカクテルブックって、有名なカクテルの書籍がありますよね。あれを超えますよ、という意気込みです。 実はボクと同級生。技術は折り紙付き。アジアチャンピオンを獲得したこともあります。バーテンダー協会の四国の役員を務めるなど、面倒見のよさでも知られます。彼の連載も読んでみてよ、というのが今回のお願いです。正直に言わせてもらいますと、一生

        • 禁断の戒名。ヒミツヒミツの物語なんぞはございません。

          ●●●仏門に入れば  そうじゃないんです。元来は、仏の道に入った者が授かる名前のことなんです。俗名に対して「法号」とか「法名」とか言います。当然、亡くなってからではなく、生前、「授戒」や「得度式」、「おこうぞり(帰敬式)」の際にいただくものでした。  頭を剃って、つるつるになったら、どうぞ、となるんですね。剃髪は型だけの宗派もあります。「戒名」は出家が前提、「法名」は俗世にあって、仏の教えを信じ行じて暮らす、そのしるしとしての名前です。 ●●●院号に居士、大姉  ちな

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        始めちゃいましょうか

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        • 般若心経とは何じゃろか
          9本
        • トゥバ共和国への旅
          5本

        記事

          敬愛する堀尾さんが、新しい動画を発表しました

          待ってました、です。YouTubeに新しい動画が上がりました。今回はね、編集者の希望で、あの伝説のブルースシンガー、ロバート・ジョンソンを取り上げています。堀尾さんの、ごきげんなギターとトークを、ぜひ聞いてみてください。 ●●●悪魔の十字路 ロバート・ジョンソンといやあ、クロスロードですよねえ。悪魔に魂を売って人知を超えたギターテクニックを身につけたといいます。その十字路って米ミシシッピ州のクラークスデールという田舎町にいまもあって、観光地になっているそうですよ。 田舎

          敬愛する堀尾さんが、新しい動画を発表しました

          転び方を学ぼう。チョークー的ジョギング法の巻

          ***よう歩いとりますなあ、って、あんた マラソン大会に出場したり、自己ベストを目指すものではないのであるが、毎日継続することによって、体重も70キロ前半の数値に落ち着いてきた。ボクの場合は「スロージョギング」と言われる程度の走りなので、誠に残念 なことに時々「よく歩いていますね」なんて言われてしまう。 健康のために始めたジョギングが今となっては身体や精神を整える生活習慣にもなっていて、瞑想と両輪にする程、ボクにとって重要なトレーニングにもなっている。瞑想は「静」、ジョギ

          転び方を学ぼう。チョークー的ジョギング法の巻

          おでんは、この星。温めすぎたら焦げ付きますがな

          幸せな結婚とは おでんというお料理は、だしの中でいろんな具材を煮込む、あくまでもシンプルなお料理であります。しかも、投入する具材のマリアージュで、だしの塩梅も変わっていくという不思議さも持ち合わせているのです。マリアージュって、もとは結婚って意味でしょ。おやおや、こりゃこりゃ、考えようによっちゃ乱交パーティーですな。お坊さんですから、もうちょっと落ち着いた解釈をしてみますと、これはイスラム圏では珍しくない、一夫多妻、今の時代ですから一妻多夫でもOKですな。取りあえず、だしさ

          おでんは、この星。温めすぎたら焦げ付きますがな

          いっちゃったよ 大神神社 (下)

          で、家路についたボクの頭にひらめいたのがこのテーマ、「幸福(満足)観」でありました。 幸福観は2種類に分類できるのではないでしょうか。 1  短絡的(束の間)な幸福観  非持続型、不穏、非日常(非習慣性)、即効性、極端、誘惑   例)飲酒、ギャンブル、不貞、暴力(暴言) 2 長期的(とこしえ)な幸福観  持続型、平安、日常(習慣性)、遅効性、平均、善導   例)運動、瞑想、学習、利他 1には必ずリスクや副作用が伴い、2にはそれがない。仏教的に表現するのならば、1は三毒

          いっちゃったよ 大神神社 (下)

          いっちゃったよ 大神神社 (上)

          いっちゃったんです。大神神社(おおみわじんじゃ)。奈良県のね。と、たいそうな書き出しになりましたが、近年の我が家の恒例行事なんです。 信仰の原点だす この神社、拝殿も非常に立派で素敵なのですが、その拝殿から右に歩けば「磐座(いわくら)」。ここをね、丁寧にお参りすることにしとります。そもそも磐座とは、神様が降臨した、或いは、神様が湧き出てきた場所のことで、まさしく信仰の原点であり、肝心であります。参拝後、わが一家は、ご神水を頂いて1年のご加護をお祈りするのであります。 坊

          いっちゃったよ 大神神社 (上)

          結構、説教くさいです。チョークー一家の駅伝物語

          いささか旧聞になるが、今回100回目を迎えた箱根駅伝のことである。ボクの家族もチョッピリのご縁がある。高校から長距離走を始めた長男が箱根路を目指していたのである。結局のところ夢は叶わなかったのであるが、次男と共に、今も形を変えて駅伝人生は続いている。 知ってる? 大根踊り さて大会である。従前の順位予想では、駒澤大の優勝が語られていたものの、蓋を開けてみると青山学院大の圧勝で、よく言われるところの「流れ」の大切さを痛感させる結果となった。ちなみに、長男の出身大学が「箱根の

          結構、説教くさいです。チョークー一家の駅伝物語

          正月ですねえ

          ***みんな大して変わりませなんだ 元旦を迎えると、お雑煮とおせち料理ですかね。テレビもお正月の定番で晩には「スターかくし芸大会」となるんです。元日から3日間ほどは、お店が閉まっていて、世の中が止まってしまったよう。聞こえるのは年賀状配達の郵便局のカブのエンジン音だけ。スマホやパソコン、コンビニもなく、本当にアナログなお正月でした。 そうそう、ボクが小学生の頃だったでしょうか、3人組のアイドルグループ・キャンディーズが「おせちもイイけど、カレーもね」ってコマーシャルありま

          正月ですねえ

          わがアイドル、コウボウダイシ。最近のことばでいやあ「推し」ですな 下

          即身成仏。ボクは形式上でなぞらえることはできるが、その奥深いところには全く到達することはできないし、その身体と精神が融合するところに本質があるとするのならば、ボクは全く歯が立たないし、その境地を獲得することはできない。要するにボクの才能では、お手上げ状態であって、ほとんど諦めの境地でもある。 師資相承の体験の教えとして存在するのが真言密教の教えとするのならば、ボクは脱落者であると思うし、ある意味、天才・空海だからこそ成しえた教えであると言ってもいい。密教とは「秘密仏教」を表

          わがアイドル、コウボウダイシ。最近のことばでいやあ「推し」ですな 下

          わがアイドル、コウボウダイシ。最近のことばでいやあ「推し」ですな 上

          ***だってえ~ だって、大阪から京都に向かえば東本願寺さんの宗門の大学「大谷大学」があるのだから、そちらを目指せば良かった訳でもある。ちなみに、どういう訳か、うちの三男坊は大谷大学を卒業している。そんなボクは、和歌山県の高野山大学を卒業した。だから、うちの現福寺も「高野山真言宗」という宗旨宗派なのであり、うちの祖師様は「弘法大師・空海」なのである。 弘法さんの教えは仏教の中の「密教」というカテゴリーに属する。密教は仏教の中の最終形態であり、インドにおいては密教を最後にヒ

          わがアイドル、コウボウダイシ。最近のことばでいやあ「推し」ですな 上

          走る走る俺たち 下

          以前にも「三学」という仏教用語をお伝えしたことを覚えているおられますか? 「サンガ(出家集団)」の中でお釈迦さまが弟子たちに伝えた実践項目です。「戒」「定」「慧」、すなわち「戒律」「瞑想」「智慧」のことです。 ***戒すなわち生活習慣 その中の「戒」を現代用語に訳すのならば「生活習慣」と理解してもイイのではなかろうか、と愚僧は思うわけです。そもそも「戒」の意味するところは、罰則はないものの、自分自身の戒めとして守るべき実践項目ということですので、自らが定めた生活習慣と考え

          走る走る俺たち 下

          走る走る俺たち 上

          先日、出張で大阪に行ったのです。ボクは、いつでもどこでもジョギングは欠かしません。だから、今回もホテルにチェックインを済ませるとジョギングに出かけることにしました。 大阪・難波は、多くの人々にてごったがえしていました。「コロナ禍」も明け、外国からの観光客も元通りになっているようです。ボクは人混みをさけ、喧騒から離れ、ボクが若かりしころ住まいしていた谷町界隈を目指すことにしました。 ***大阪の中心で 谷町界隈とは、ほんと大阪の中心地であり、そもそもは「船場」といって商人

          走る走る俺たち 上

          まっせ末世とはこれいかに。ワタクシも行きまっせ

          徳島新聞デジタル版に、昨年(2022年9月)に四国放送を定年退職されたアナウンサー保岡栄二さんのインタビューが掲載されていました。以前、四国放送ラジオの番組「ラジオ大福」にお伺いした際、お話をさせていただいた縁もあり、同年代ということもあって親近感をもって活動に注目していました。保岡さんは現在、フリーアナウンサーとして東京を拠点にされ活躍されているとの由。何だか嬉しくなりました。 ***都会の人すげー 記事の中で興味をひいたのが、「都会の人の学ぶ意識の高さ」や「取り残され

          まっせ末世とはこれいかに。ワタクシも行きまっせ