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いい「匂い」と嫌な「臭い」

私がアロマを始めたのは、かれこれ15年くらい前。それ以来、香りに対する意識が変わりました。
嗅覚を意識的に使うようになると、良くも悪くもにおいに敏感になり、いろいろなにおいに反応するようになります。嫌いな臭いにも敏感になって、ちょっと困ってしまうこともたまにあります。

ところで、この「におい」という単語、「匂い」と「臭い」という書き方がありますね。
『大辞泉』を調べてみると、匂いは「そのものから漂ってきて、嗅覚を刺激するもの」のほかに、「華やかで見栄えのすること」とか「人の内部から立ち現れる、豊かで生き生きとした美しさ」といったように、いい意味です。
一方、臭いは「嗅覚を刺激する、不快なくさみ、悪臭」とか「いかにもそのような感じ・気配。特に好ましくないものについていう」とあり、あまりよくない意味です。

共同通信社の『記者ハンドブック』でも、匂いは「香ばしい匂い、匂い袋、花の匂い」、臭いは「嫌な臭い、ガスの臭い、生ゴミが臭う」という用例が載っています。また、「くさいにおい」を漢字で書くと「臭い臭い」となって間違えやすいので、「臭いにおい」とひらがなで書くのだそうです。

同じ「嗅覚を刺激するもの」なのに、使い分けされるのはおもしろいですね。

では、ひらがなの「におい」とカタカナの「ニオイ」はどうなんでしょうか? 使い分けの基準となるものを見つけられませんが、前者はいいにおい、後者は嫌なニオイという気がします。「靴下のにおい」と「靴下のニオイ」だと、後者のほうがピンときます。なんとなくですが…。

いい匂いと嫌な臭いということでいうと、においそのものは同じでも、人によって感じ方もさまざまでおもしろいです。
たとえば、ラベンダー。私のアロマ教室のレッスンでもよく話すのですが、一般的には心安らぐいい香りとされ、リラクゼーションに用いられる代表格のラベンダーですが、実は苦手な人も案外多いのです。

フランキンセンスも人気のある精油ですが、私は最初、あまり好きではありませんでした。初めてフランキンセンスの匂いを嗅いだときは「???」という感じで、「これなに?」みたいな状態でした。要するに、今まで嗅いだことがないような匂いだったんだと思います。

だけど慣れたせいなのか、なぜか今は好きになり、不思議なもんだなぁと思います。「最初は食べられなかった食べ物が今では大好き」みたいな。

そのフランキンセンスの匂いですが、経験不足で未知の世界にある匂いだからなのか、私のボキャブラリーでは喩えられるものがなく、いまだにうまく表現できません。だから、人に説明するときにすごく困ります。
フランキンセンスの香りをかっこよく表現できるように、これから人生経験を積んでいきたいと思います。



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