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デザイナーにとっての期待値コントロールと“サプライズ”の提供の仕方

good Inc.代表&rootのDPMの関口です。
日々、デザイナーのマネジメントやプロジェクトのマネジメントをしている中で、最近よくみるのが、要望通りにデザインしたものが、思ったより評価されなかったり、オーダーした側は満足しているけど、次の機会につながらないということが起きることです。
実際、デザイナーの役割は広域になっているので、単に要望通りデザインするということはほとんどないと思います。なのになぜ思った以上の成果が出ないのか?
そんなことをきっかけに今回もアドベントカレンダーの企画では、デザイナーにとってとても大事だけれども、なかなか再現性を持つことができない、「期待値コントロールとサプライズ」について話そうと思います。


1. 期待値をコントロールするとは?

デザインの成果物として、オーダーした側とデザイナー側のやりたいことできることが重なる部分を見つけにいくことが期待値をコントロールすることだと私は考えます。

2. デザイナーの業務範囲の広がり

昨今、デザイナーに求められるデザインの意味が多様化し、学校や一つの経験だけでは、成果物は十分に評価されにくくなっています。
あくまで、アウトプットイメージ先行で事業戦略やサービスコンセプトを考えることは少ないため、ユーザーや事業のベースでデザインの依頼が来ると、業務範囲を超えた課題解決能力が必要となります。
人によりますが、信頼を勝ち取るため、職種やスキルに対する理解不足による、専門領域を越境するような難しい依頼でも無理をして受けざるを得ないようなジレンマもあります。

3. オーダーする側の不安

期待値コントロールをするには、双方で歩み寄る必要があります。しかし、契約の構造上、どうしてもオーダーした側が優位になってしまいます。
ただ、オーダーした側もデザイナーではないことが多いため、デザインプロセスやデザイナーの稼働の仕方がわからず、締め切りやチェックポイントまで、本当に依頼したものが出来上がってくるのか常に不安です。

4. 期待値をコントロールしつつ、サプライズを提供するには?

上記で記載した通り、期待値をコントロールすることは大事ですが、お互いが想定しているものが出来上がったとしても、オーダーした側としては、さして驚くことはなく、依頼した通りに出来上がったと認識するだけで、最悪、次回以降の依頼をコストやスケジュールを優先されてしまうこともあります。
また、依頼通りにアウトプットが作れたとしても、お互いにプロジェクト内でのインサイトがなく、プロジェクトをとおして成長するという、デザインアウトプット以外の付加価値が提供できないため、デザイナーとしての競合優位性も生まれません。

要するに、やりたいことできることの重なりを見つけるだけでなく、オーダーした側の期待を超えるような驚き感動を提供できるという認識をもってもらうことがとても重要です。

驚きや感動を与えるような付加価値(サプライズ)とはなんでしょうか?
わかりやすく、図にしてみました。

驚きや感動を与えるような付加価値の難易度

難易度が低いものは日々提供することを意識するといいです。
難易度が高いものは、ヒアリングの段階からこまめにコミュニケーションをとり、それぞれの分野の期待値を探りに行き、本来作るべきものは作りつつ、タイミングを見計らって、提供できるといいです。

5. 振り返りの重要性

プロジェクトの大きさや期間に関わらず、PJ終了前後にはオーダーする側、される側でプロジェクトの振り返りをすることがとても大事です。以下の観点で振り返りをしてみるといいと思います。

  • そもそも自分が作ったアウトプットはちゃんと評価されているのか?

  • ジャブのようにこまめに提供した付加価値は響いているのか?

  • 業務範囲を越境した上で価値を提供したことを相手は理解しているか?その上で評価してくれているか?

  • 他にも困り事や課題がないか?次の依頼や案件も自分に依頼してくれそうか?

  • 達成できなかったことや、改善点はないか?

6. まとめ

期待値コントロールとサプライズの提供は前提として、幅広い知識と自分の専門領域に対する造詣の深さを求められるため、一朝一夕に身に付くものではありません。
まずは、以下のようなアクションを繰り返し、自分の視野を広げることから取り組んでみましょう。

  1. 相手に自分のデザインプロセスを開示し、短時間で理解ができているかどうか確認する

  2. ジャンルに捉われず、多様なプロジェクトに率先的に参加し、様々なジャンルのドメインに関する知識の解像度を上げる

  3. 発散と収束の行き来を細かく繰り返し、確度の高い情報や知識のみを取捨選択する

上記のアクション以外にも、環境を変えてみたり、やり方を常に模索してみるのもいいと思います。
実際、rootでもプロジェクトの中で各メンバーが小さく挑戦し小さな成功体験を積み重ね、それを組織内で共有することで、急激な成長と大きな結果をパートナーとして提供できています。

このように、今後役割が変化していく中で、デザイナーとしてサプライズを提供するには、組織であっても、個人であっても、Giverとして事業や組織の成長に携わることが一番の近道かもしれません。


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