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釧路でSLに乗った話

もう一ヶ月以上経ってしまったけれど、一月に釧路に行ってSL冬の湿原号に乗って来た。
札幌に数年住んでいたとはいえ、釧路は初めてだったので楽しかった。
何をしに行くわけでもなくただ釧路行きの飛行機を取ったのだけど、冬の釧路でやることといえばまずはSLに乗ることだろうということでSLのチケットだけは買ってから行った。
特に鉄道好きというわけでもないのだが、黒い煙を出して雪原を走る姿はかっこいい。

釧路標茶間を走るこの列車、車窓からは思わぬ景色が見られたりする。
人工物に囲まれた日々を送っている私からすれば、何が見えるかはその日の運次第というところがすでに魅力的だった。
釧路駅を出た列車は標茶へ向かってゆく。標茶というとOSO-18のイメージが強いけれど、どんなところなのだろう。
作家よりも雪が少ない。しかし冷え込みは厳しく感じられた。その日の気温は確か-14度くらいで、作家だとそこまで気温が下がることはあまりなかったと思う。
凍てつく道東の地を走る車窓を眺めていると、突然車内がざわめき始める。ぼんやりしていた私もハッと目を開き車窓を注視すると、エゾシカの群れだ。
もののけ姫のヤックルのように走っている。ああ、この寒い中で、冷たい川のそばで、生きてるんだと思った。
雪をかき分け、わずかな草を食んでいるのだろうか。

さて車内には、ストーブがいくつかあった。その上でイカを焼いてる人たちがいた。
海外の方と思われる人々が焼いたイカを持って車内をうろうろしているのがなんだか不思議な光景だった。
丸いストーブは可愛らしい。車内は暖かくて快適だった。
それと物販スペースもあった。エンブレムのようなものや、ピンズ、ステッカーなどを売っていたと思う。私は絵葉書を買った。
乗車証明書のカードは行きと帰りで全く別のデザインのものをもらえた。

標茶駅に滞在できる時間は短かったのだけど、あまり長い時間いても辛そうな寒さだったので少しご飯を食べて釧路行きのSLに乗って帰った。帰りにはタンチョウを見ることができた。大きな翼を広げてゆっくり飛んでいた。北海道で生きる動物たちはいつも美しいのだった。

釧路一泊二日旅。
特に何をしたわけでもないがとても楽しかった。いいところです。行ったことのない人はぜひ。

幣舞橋の夕陽は噂通り綺麗だったし、けあらしは見えなかったのだけど凍りついた釧路川も迫力があった。

スパカツ、つぶ貝、お寿司と美味しいものもたくさん食べられて、よい旅だった。
あとはさんまんまというさんま料理も買って帰ったのだけど、おいしかった。
また行きたいと思う。

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