Evacuated

町から人が消えた

点滅の残像も空へと

昇華されるのみ

高音が響く

この部屋が

自然とあごを持ち上げる

真空のままの

真空のままの町が

確かにあることが

僕に暖かみを与えている

脳ミソの鼓動が全身に伝わり

コオロギの声が反芻している

月を見つめた古人はこれを

どう歌うのだろう

僕は想いを寄せることはない

ただただ1つの存在として

数ある反芻と一体となる

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