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第20回 子育てを終えて

息子の幼少期のことを思い出すと、かわいいエピソードがいくつも浮かんでくる。その時の表情まで鮮明に覚えている。

ある時幼稚園から帰宅した息子は開口一番「ママとショウゴしたい!」と言った。「ショウゴしたい?どういうこと?」と聞くと「時計の長い針と短い針がぴったんこ重なったら正午っていうんでしょう?ママとこうやって正午したい!」と言って両手をそろえて真っ直ぐ上に伸ばしてみせた。

合点が入った私は息子を向かい合わせにして膝の上に乗せ「3、2、1正午!」と息子と同時に腕を真っ直ぐ上に伸ばして重ねた。「正午したねー」と言って息子は満面の笑みを浮かべた。(可愛い!可愛すぎる!)私は息子を思いっきり抱きしめた。

それから十数年後の3月10日の正午、東京大学理科三類の合格が分かって息子と抱き合って喜んだ。”正午”は私にとって特別な時刻となった。   


終わりに

私は常々、子育ては偉大な任務だと思っていました。この世に新たな人間を産み出し、24時間体制でお世話をし、おしゃべりが達者になる頃からは生活習慣を身に付けさせ、言葉やマナー、社会性を教えていきます。

そして成長過程で思いやり、協調性、好奇心や責任感を育まなくてはいけません。一番身近な母親が手本となるので、自身の言動にも気を付けなくてはなりません。なんて責任重大なのでしょう!だからこそやりがいがあります。

とはいえ、子育て中にはストレスを感じてしまうこともありますよね。私は、体調が良くない時や心に余裕が無い時に、つい感情的に叱ってしまったことがありました。その後は深く反省し息子に謝りました。お子さんを2人、3人と立派に育て上げられた方達には頭が下がります。

私にとって子供と過ごした18年はあっという間でした。幼少期の頃は(今が1番可愛いい時だろうな。ずっとこのままならいいのに)と思い、小学生の頃には心底(時よ、止まって!)と願いました。しかし、当然ながら時は止まることなく子供は成長し続け、中学高校の6年間は早送りしたかのように過ぎ去った感じです。

今子育て中のお母様、お父様方には思う存分、これでもかーというくらい濃密な時間をお子様と過ごしていただきたいです。素敵なエピソードがますます増えていきますように•••

20回にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました。



                  




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