啓太のショートストーリー【ホントに信じてるの?】
〈※この物語は自分の体験を元にしたフィクションです〉
俺はネット上で仕事をしている。
主に、ライターとして文章や物語を書いて収入を得ているが、
なかなか稼げない。
最近では、自分がこのままでいいのかと悩む時間が増えてきた。
この先、自分がどうしたらいいのか不安で負けそうになる。
そんな時、母に言われた一言で俺の心は救われた。
「俺がやってる仕事、稼げないとか思ってるでしょ?」
俺は不安げに母に話しかけた。
すると母はニコッと笑いながら言った。
「そんなこと一言も言ってないけど?
できることをすればいいんじゃない?」
母は俺が話しかけるといつも、
【できることをすればいい】という。
その言葉を聞いた瞬間、安心する俺だったが、
時間が経つとまた不安になり、ベットに横になる。
そして、スマホを片手にYouTubeを見る始末。
毎日、同じことの繰り返しで、
なかなかネットでの執筆が進まない。
やればいいだけなのに。全くやる気が起きないのだ。
そして、また母と話をするルーティン。
次の日も、その次の日も、母はニコニコしながらこう言った。
「できることをすればいい」
僕はその言葉を聞いては、
パソコンを開き、文章を作成する。
不安になると、パソコンを閉じ、
ベットに横になる。
〈このままでいいのか?〉
そう、心の声が聞こえてくる。
意識でかき消しても、また浮かび上がってくる言葉。
〈このままでいいのか?〉
その度に、また母に話す。
「できることをすればいい」
ある時、俺の話を遮るように言った。
「自分のこと信じてるの?」
俺はハッとした。
いつも、俺は仕事のことを他人に話す。
母や友達に〈ネットの仕事はなかなか稼げないんだよね〉と。
新しい仕事であることや、自分がフリーランスであることを理由に、
稼ぐことが難しいと言っていたのだ。
心のどこかで毎月決まった給料をもらえる会社員はいいよな、
みたいな気持ちがあったのかもしれない。
しかし、人生は自分で決めているのだから、
誰がどこでどんな仕事、どんな働き方をしようが自由なのだ。
それを理由に、どこかで言い訳をしていた。
結局、自分を信じてあげられていなかったのだ。
母は真剣な顔で話続けた。
「稼げるとか稼げないとかどうでもいいことよ。
問題は、あなたが自分自身を信じてあげているかどうかってことよ。」
僕は母の言葉に救われた気がした。
母は、微笑みながら言った。
「自分を信じてあげられないことはホントに不幸だと思うよ。
自分で自分の人生を諦めてほしくないのよ。堂々と生きなさい」
俺の瞼が熱くなった。
そして、床に涙が流れ落ちた。
俺は目を潤ませたまま気持ちを伝えた。
「ありがとう。俺、またチャレンジしてみるよ」
母はコクリと頷いた後、再びテレビに姿勢を戻した。
その後、
俺はネット上で、ライターの仕事で成功し、
悠々と生計を立てるまでに稼げるようになっていった。
母を旅行に連れていけるほど、
余裕のある豊かな暮らしをすることができた。
母の【できることをすればいい】、【自分を信じなさい】という言葉で、
俺の人生は良い方向に動きだした。
お母さん、ありがとう。
※この物語はフィクションです。
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※写真は僕の撮影です。
啓太(@keita.good.luck) • Instagram写真と動画
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