せんり

一般的な共働き家庭の主婦。たくさんのおわりとはじまりを繰り返して今を生きている記録帳と…

せんり

一般的な共働き家庭の主婦。たくさんのおわりとはじまりを繰り返して今を生きている記録帳として。

最近の記事

父の死と向き合えるまで

父の膵がんが分かって9ヶ月目。 救急搬送されて入院して、モルヒネを打つことになって、症状はどんどん悪化していった。 入院して3日目、夜中に発作を起こすので家族が病室に泊まってくださいと指示を受けたため私が泊まる事にした。 想像以上に壮絶だった。白目をむいて呼吸は激しく乱れて身体は突っ張ったまま動かない。血圧も異常に上がり意識もない。こんな発作が夜中に何度も何度も起きた。 怖い。何度もそう思った。 本人には気付かれたくない、いつまでも大丈夫だと思っていて欲しい。そして

    • 父の癌

      それは私にとって20代最後の年だった。 年末の慌ただしい、そんな日だった。 「お父さん、胃が痛いって病院行かはってんけどなんの処置もないねん。来年の頭まで検査結果でーへんらしいねん。」 母親の不安げな表情から、最悪の想定をしてしまう。 昔から病気がちな父親で病院に通いつめていたわけなのだが、今までと空気が違っていた。 「そおなん。大丈夫やとええなあ。」 深く探る事は出来なかった。思い過ごしであってくれと願うばかりだった。 年が明け、新年の挨拶にと同棲している彼氏と共に両親を

      • 結婚するということ。

        そろそろプロポーズされてから1年が経とうとしている。 寂しい事にどんなに色んな事を思ったとしても細かな気持ちはどんどん抜け落ちてしまい、おおまかな流れだけ記憶として残っていってしまうものだ。 結婚というものは私の人生でいちばん複雑な思いを抱えながらもスムーズにことを運ぶことが出来たライフイベントだったと思う。 まだ少しでも覚えているうちに私自身が忘れてしまった時のために、気持ちを残しておきたい。 私の旦那になった人はお世辞にも万人に愛されるような人柄ではない。誰かを気

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