孤独の世界

繰り返す 同じ時間を 過ごす
ただ直向きに 走り抜けた 走馬灯のような
淡い 季節の移り変わりを感じながら

此処は何処だろう
流した涙 その理由を探して 遁走した あの頃
降り注ぐ そよ風に
その表情は 柔和に綻び 包み込む

まるで 融けてしまいそうな 瞳
ここから更に 飛翔して 消えてしまいたい
あの空に 輝く恒星を目指して
一緒に歩んで行きたくて

煌めく花びら その優しさに
空は穏やかな日和
それでもこの瞳は 淋しさに彩られて

あの星の 遥か先を映す 蜃気楼のような
想い出に懐かれ 幸せに眠る

あなたの囁く声に 張り裂けそう
なんだか淋しくて 傍にいて欲しくて

この心 包んでくれる その俯く顔に
重ねた唇 もう二度と 悲しませないで

やっと辿り着いた 此処は 安らぎの場所
だからせめて 塞いで欲しい
無尽に溢れるこの感情を 慰める あなたの唇で

ああ どうして
淋しさが消えないのだろう
言えないよ ねぇ 鮮やかな時間が 暮れなずむ
その瞬間 確かに感じた あなたの哀しみを

言葉にならなくて 沈黙の刹那
あなたは言った 抱き寄せ 声を殺しながら
交わし合う 接吻の最中で 餓えた心を 諌めるように

この無尽の感情は とても心地良くて
溶けてしまいそう 例え そこに存在しなくても
分かち合える そんなひと時が この胸が切なさを
ぎゅっと 抱き締めてくれるから

ずっと一緒に居たい
このまま 深く 沈んで行きたい

語り尽くせない 心の綾を 解いてあげるから
ずっと傍にいて そして もっと見せて
あなたのその淋しさを ううん 泣かないで
もうこれ以上は もう

その胸に秘めたる 色鮮やかな 孤独の世界を
もっと感じていたいから
ねぇ ずっと こうしていさせて
あなたのその淋しさ
もうこれ以上は そう


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?