夢幻の果てに

射し込む 光に照らされて
眠る 今宵も宴が鎮まる頃 ふと思い耽る

穢れ 流れる雲 さんざめく記憶
波間に揺らめく星明かりに 手を掬う

満ちては引返す
この胸の鼓動のように

堕ちて行く 夢幻の果てに
胸に添えた手 澄んだ瞳に護られていた

波は寄せては返し
やがて果てる世界に

満月の透き通る 風 穏やかな声音
波に揺れて 漂う 蒼い波紋は宇宙に染み渡る
聴こえる この手に掛かる 水の残響が

反響して 更に内奥へ
眠る 射し込む光を湛えて
静かな水面に浮かぶ 月に抱かれて

そして 深く

決して
眼を醒まさないように ずっと

夢幻の果てに見た
あの世界へと 還って行くから

眠りに就いて 深く 沈む
滴り落ちる記憶
射し込む星明りを湛え
反響する水面
聴こえる 滲む輪郭 月影の夜に
満ちては引返す 波のさざめく声音が

今宵もきっと
眠りの刻は訪れるのだろう

穢れ 流れる雲
さんざめく記憶に懐かれ
やがて この身体 鎮むまで

深く 堕ちて行く
水面に写る 満月 滴り落ちる水に
滲む輪郭 波に揺られ
小さく震えている

そのときは きっと

また

今宵も きっと
眠りの瞬間は訪れる

夢幻の果てに見た あの世界に
還って行くまでは

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